月の半ば、スプレッドシートを見ているだけで目が痛くなった。時給換算894円。きつかった。
45歳の私(中田幸枝・仮名)は要介護2の親を自宅で介護しながらデータ入力をしている。介護中の疲れに加えてPC作業の眼精疲労が重なり、5ヶ月目に「もう続けられない」と思った。時給換算894円は全国最低賃金1,023円(2025年10月以降)を下回っていた。そこから3ヶ月で時給1,350円に戻した。失敗と回復の本音を書く。
きつさの3重苦と月別の記録
| 月 | 月収 | 時給換算 | きつさの理由 |
|---|---|---|---|
| 1〜2ヶ月目 | 21,600円 | 1,080円 | 慣れない作業でも新鮮さあり |
| 3ヶ月目 | 24,000円 | 1,200円 | 安定してきた |
| 4ヶ月目 | 19,200円 | 960円 | 眼精疲労が出始める |
| 5ヶ月目 | 17,860円 | 894円 | 眼精疲労+精神的消耗がピーク |
| 6ヶ月目 | 21,000円 | 1,050円 | 対策を取り始めた |
| 7ヶ月目 | 30,600円 | 1,350円 | 案件変更と作業環境改善 |
| 8〜9ヶ月目 | 38,400〜43,200円 | 1,280〜1,440円 | 安定 |
3重苦の実態
きつさ1:眼精疲労(最もきつかった)
5ヶ月目に眼科を受診。医師に「PC作業6〜8時間は目に負担が大きい」と言われた。当時は1日5〜6時間作業していた。
対策:
- 作業時間を1セッション45分に短縮し、15分の遠方視線休憩を入れる
- モニターとの距離を40cmから50〜60cmに延ばす
- 画面の輝度を最大から60%に下げる
きつさ2:低単価への気づき
5ヶ月目に「月17,860円÷実働20時間=893円/時」を計算した。全国最低賃金1,023円を下回っていた事実に初めて気づいた。
きつさ3:介護の疲れとの複合
夜間介護(親のトイレ介助)で睡眠が1日4〜5時間になる日が続き、集中力が落ちてデータ入力のミスが増加。品質スコアが下がり、さらに単価の低い案件しか受注できなくなる悪循環に陥った。
Before(5ヶ月目の最もきつい1日)
| 時刻 | 状況 |
|---|---|
| 2:00〜3:00 | 親のトイレ介助で起床 |
| 9:00〜13:00 | デイサービス中に4時間作業(目が痛い) |
| 14:00 | 親帰宅、介護で頭が働かない |
After(7ヶ月目の改善後の1日)
| 時刻 | 状況 |
|---|---|
| 9:00〜9:45 | 作業セッション1(45分) |
| 9:45〜10:00 | 遠方視線休憩 |
| 10:00〜10:45 | 作業セッション2(45分) |
| 10:45〜11:00 | 休憩 |
| 11:00〜11:45 | 作業セッション3(45分) |
| 14:00 | 終了(3セッション合計2.25時間) |
作業時間を短くしてセッション管理にしたことで、眼精疲労が大幅に軽減した。
単価894円から1,350円への回復策
| 施策 | 効果 | 実施タイミング |
|---|---|---|
| 1日の作業時間を4時間→2.25時間に削減 | 眼精疲労が半減、ミス率低下 | 6ヶ月目 |
| アンケート入力からExcel集計案件に移行 | 時給換算+300円 | 6ヶ月目 |
| 夜間は一切作業しないルール設定 | 睡眠確保で集中力回復 | 6ヶ月目 |
| 評価の高い(★4.5以上)案件のみ受注 | 品質問題のある案件を除外 | 7ヶ月目 |
3つの失敗パターン
パターン1:眼精疲労を「慣れれば消える」と思って無視する
目の疲れは蓄積する。放置すると眼科的な問題(ドライアイ・充血)に発展する。作業時間の上限を事前に設けることが必須。
パターン2:低単価案件をこなし続けて「経験値を積む」という思い込み
低単価案件は量をこなしても単価が上がらない。一定の経験がついたら単価帯の高い案件に切り替えるタイミングを意識する。
パターン3:介護疲れを「仕事に支障が出ていない」と判断する
睡眠不足はデータ入力のミス率を上げる。品質スコアが下がると次の案件も低品質なものしか取れなくなる。
この仕事が向かない人
- 眼精疲労が慢性的にある人:作業時間を1日1時間以内に抑えない限り継続が難しい
- 介護の夜間対応が週3日以上ある人:睡眠確保ができないと品質が維持できない
- 「きつい→すぐやめる」という行動パターンの人:3ヶ月は続けないと投資回収できない