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業務委託翻訳

転勤2年目の35歳妻が英日翻訳の業務委託で月89,600円を作ったルート

ミノリ編集部2026-04-13

転勤2年目の35歳、英検1級・翻訳歴3年の転勤族の妻が、英日翻訳の業務委託で月89,600円に届いた4ヶ月の実数字を残す。1ワード10円、月8,960ワード、稼働は1日5時間×平日のみ。夫の転勤で2年ごとに住む場所が変わる前提だから、勤務地に縛られない翻訳しか続けられなかった、という話でもある。

結婚7年・子なし・夫は全国転勤のあるメーカー勤務。最初の転勤で派遣事務を辞めた時点で、次の引っ越しまでに崩れない仕事を作るしかないと決めて、英検1級と翻訳学校6ヶ月コースを取った。単価構造・月次推移・扶養130万円ライン調整まで、転勤族の妻に固有の制約も含めて全部書く。

英日翻訳の単価構造と1ワード10円の根拠

日本翻訳連盟が公開する翻訳料金の目安では、英日のクライアント向け参考価格は1ワード26〜35円。フリーランスが翻訳会社から受注する実働単価はそこから中抜きされて1ワード8〜15円になる。私が今受けている一般ビジネス文書は1ワード10円、英検1級・翻訳学校修了・トライアル合格という条件で標準的なラインだ。

案件タイプ1ワード単価私の現状主な発注元
一般ビジネス文書8〜12円1ワード10円翻訳会社A社
IT・SaaSマニュアル10〜14円1ワード11円翻訳会社B社
医薬・法律(専門分野)14〜22円未対応-
ゲーム・エンタメ8〜13円未対応-

1ワード10円で月8,960ワード処理して月89,600円、ここが転勤族の妻が現実的に届くラインだ。専門分野(医薬・法律)に踏み込めば1ワード15円以上も狙えるが、用語学習に取られる時間と引っ越し前後の処理速度低下を考えると、単価より納品の安定性を優先するほうが合っている。

私の処理速度は1時間あたり約180ワード(校正・用語確認・納品チェック込み)。1日5時間で900ワード、平日20日で月18,000ワードが理論上限。営業・トライアル対応・経理に週5時間取られるので、実際に翻訳に使えるのは月8,960ワード(=89,600円分)が今の着地点になる。

項目数字
1時間あたり処理ワード180ワード
1日稼働時間5時間
月稼働日20日(平日のみ)
月翻訳ワード合計8,960ワード
1ワード単価10円
月報酬(額面)89,600円
源泉徴収(10.21%)9,148円
月手取り80,452円

業務委託契約は源泉徴収10.21%が引かれる契約と引かれない契約がある。A社は源泉あり(1回9,148円)、B社はなし。確定申告で源泉分は還付されるので最終手取りは変わらないが、月キャッシュフローは月80,452円で見ておく必要がある。

月次推移:トライアルから月89,600円までの4ヶ月

転勤先で落ち着いたタイミングで翻訳会社6社にトライアルを送った。合格2社、不合格3社、返信なし1社。そこからの4ヶ月の実数字を月次で残す。

主な活動翻訳ワード報酬額面備考
1ヶ月目トライアル6社送付・A社合格2,500ワード25,000円A社の小案件のみ
2ヶ月目A社継続・B社トライアル合格4,800ワード49,400円A社1ワード10円・B社1ワード11円
3ヶ月目A社B社で月並行処理7,200ワード73,200円校正ミスでB社からフィードバック
4ヶ月目A社案件量増加・処理速度安定8,960ワード89,600円現在のレベル

1ヶ月目の月25,000円は合格直後で小案件しか回ってこなかった結果。2ヶ月目から登録翻訳者スロットに入り定期打診が来るようになった。3ヶ月目に数字の誤訳1箇所でB社から指摘を受け、納品前チェックリストを作り直した。4ヶ月目で月89,600円に届いたのは、A社の案件量増加と辞書登録で1時間あたり処理ワードが150から180に上がったためだ。

転勤族の妻が直面する3つの物理的な壁

転勤族の妻として翻訳の業務委託をやる上で、都市部の在宅ワーカーには見えない3つの壁にぶつかった。

  1. Wi-Fi環境の不安定さ:地方中核市の賃貸はマンション備付Wi-Fiの実効速度が30Mbpsを切ることがある。CATツール(私はmemoQ)はクラウド同期前提なので、回線が切れると作業ロスになる。引っ越し直後にポケットWi-Fi月4,180円を併用するルートに切り替えた。
  2. 時差のあるクライアント対応:翻訳会社の中には海外本社を持つところもあり、納期がUTCベースで切られる。日本時間の早朝6時納品が指定される案件は組み込めないので、打診段階で「日本時間の業務時間内で完結する案件のみ」と明示している。
  3. 引っ越しでの稼働ゼロ期間:夫の転勤辞令から実引っ越しまで1.5〜2ヶ月。前後2週間は荷造り・住民票異動で稼働がほぼゼロになる。年12ヶ月のうち稼働できるのは10〜11ヶ月という前提で年収を組んでいる。

特に3つ目は転勤族の妻に固有の制約だ。月89,600円を年12ヶ月稼げば年1,075,200円だが、年10ヶ月稼働だと年896,000円が現実値になる。

扶養130万円ラインとの付き合い方

夫の会社の社会保険扶養に入っている前提で、翻訳の業務委託収入は年130万円を超えると扶養を外れ、自分で国民健康保険・国民年金を払う必要が出る。厚生労働省の被扶養者収入基準は年130万円未満で、業務委託は経費差引前の総収入で判定されるケースが多い(夫の健保組合規約による)。

項目扶養内(年130万円未満)扶養外(年130万円以上)
国民健康保険(年額)0円約170,400円(月14,200円×12)
国民年金(年額)0円215,040円(月17,920円×12)
配偶者控除適用あり段階的に縮小
年負担増-約385,440円

2026年度の国民年金保険料は月17,920円、年215,040円。地方中核市の国民健康保険は年収100万円台で月14,200円前後が目安。扶養を外れた瞬間に年385,440円の固定費が乗り、年170万円以上稼がないと手取りが下がる「壁」が存在する。

私は年収を意図的に129万円以下に収めている。月89,600円×12ヶ月だと年1,075,200円で扶養内に収まるが、繁忙月と引っ越し月の波があるので、四半期ごとにA社B社へ稼働調整を申し入れている。年110万〜120万の着地を狙うのが、転勤族の妻にとって現実的な落とし所だ。

この仕事が向かない人

勤務地に縛られない貴重な選択肢ではあるが、以下5つの条件のどれかに当てはまるなら別カテゴリを検討したほうがいい。

  • トライアル不合格を連続で受けてメンタルが切れる人:翻訳会社のトライアル合格率は体感20〜30%。3〜6ヶ月の収入ゼロ期間に耐える余裕がないと続かない。
  • 英検準1級以下で勉強しながら稼ぎたい人:1ワード10円ラインは英検1級・TOEIC900点以上が下限。語学力不足で受けると時間だけ消える。
  • 数字や固有名詞の確認が苦手な人:金額・日付・固有名詞の誤訳1箇所で信用を失う。校正チェックリストを回せない人は不向き。
  • 収入の月波動が苦手な人:月25,000円から月89,600円まで4倍の波がある。固定費を月収の最低値に合わせられないなら向かない。
  • 長時間の集中作業が体力的に厳しい人:1日5時間の集中翻訳は脳を消耗する。眼精疲労・肩こりを軽視できない。

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転勤族の妻が翻訳の業務委託を選ぶ場合、住所変更が頻繁に起きるワーカー側の事情を運営がどこまで吸収するかが地味に効く。引っ越し時の住所更新がワンクリックで済み、過去案件の納品履歴が引き継がれる仕組みは、2年ごとに住む場所が変わる立場には意味がある。

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