「官公庁の画像判定案件に個人で入れる」——これは事実だが、入札ルートではなくBPO企業の再委託ワーカーとしての話だ。62歳の私が辿り着いた具体的な経路を公開する。
官公庁の地図データ電子化や旧公文書のOCR補正案件は、民間の画像判定案件より単価が高めで、かつ長期継続することが多い。しかし個人フリーランスが官公庁の調達に直接参加するのは現実的ではない。入札参加資格の取得だけで数ヶ月かかるうえ、法人登記が事実上必要だ。
私が辿り着いた方法は「BPO企業の下請けワーカーとして入る」というルートだ。
官公庁OCR案件の構造
官公庁(自治体・国の機関)が発注する流れは以下の通りだ:
| 階層 | 主体 | 役割 |
|---|---|---|
| 発注者 | 官公庁(市役所・省庁等) | 入札・契約 |
| 1次受注 | 大手BPO企業 | 入札参加資格保有 |
| 2次受注 | 中小BPO・専門会社 | 下請け |
| 個人ワーカー | 私のような個人 | 再委託ワーカー |
個人が参加できるのは「2次受注→個人ワーカー」の部分だ。クラウドソーシング経由で「官公庁案件」と記載されている案件は多くがこの形態だ。
官公庁系BPO案件の具体的な種類
私がこれまで関わった案件の種類:
地図データ電子化:旧来の紙地図をスキャンした画像から、道路・建物・区画情報を手動で確認・補正する作業。1枚あたり単価は15〜25円程度で、画像分類(5〜10円1)より高い。
公文書OCR補正:自治体が保管する旧公文書をAI-OCRで読み取った後の補正作業。手書き文字の多い文書は認識率が低いため、人手による確認が必要。
戸籍・住民基本台帳の電子化補助:OCR読み取り結果の精度確認。守秘義務契約が必須。
BPO企業への個人アプローチ方法
私が採用された経路は以下の3ステップだ:
ステップ1:ランサーズで「官公庁」「自治体」「電子化」で検索
ランサーズの案件検索でこれらのキーワードを入れると、BPO企業がワーカー募集している案件が出てくる。手数料16.5%(税込)2が引かれるが、案件の質が高い。
ステップ2:プロジェクト応募文に「守秘義務対応可」と明記
官公庁案件は守秘義務が必須。応募文に「NDA・守秘義務契約への署名対応可能」と書くと採用率が上がる。
ステップ3:最初は低単価でも実績を積む
私は最初の官公庁BPO案件を地図データ電子化から始め、単価18円/枚だった。6ヶ月の実績を積んで別のBPO企業から声がかかり、23円/枚の案件に移行できた。
Before/After:月収の変化
Before:官公庁案件参加前(開始から36ヶ月目)
| 作業内容 | 単価 | 月間処理量 | 報酬 |
|---|---|---|---|
| 画像分類(クラウドワークス) | 8円/枚 | 4,000枚 | 32,000円 |
| OCR補正(ランサーズ) | 12円/件 | 1,800件 | 21,600円 |
| 合計 | — | — | 53,600円 |
After:官公庁BPO案件参加後(42ヶ月目)
| 作業内容 | 単価 | 月間処理量 | 報酬 |
|---|---|---|---|
| 地図データ電子化(BPO経由) | 23円/枚 | 2,000枚 | 46,000円 |
| 画像分類(クラウドワークス) | 8円/枚 | 2,000枚 | 16,000円 |
| OCR補正(ランサーズ) | 12円/件 | 500件 | 6,000円 |
| 合計 | — | — | 68,000円 |
官公庁BPO案件の単価が高い分、作業量を減らしても月収が上がった。目の疲労軽減にもなった。
3つの失敗パターン
パターン1:守秘義務契約の内容を確認せずサイン
最初の官公庁BPO案件で、NDA(秘密保持契約)の内容を細かく読まずにサインした。後から「作業内容をSNSで公開禁止」という条項を見つけて冷や汗をかいた。以来、必ず全文を読んでから署名する。
パターン2:官公庁直接入札に挑戦して時間を無駄にした
入札参加資格の申請を試みたが、法人格が事実上必要で個人事業主では壁があった。この調査に2ヶ月かけた。BPO経由ルートに絞った方が効率的だった。
パターン3:案件の安定性を過信した
官公庁BPO案件は長期継続が多いが、予算の関係で突然終了することもある。1案件に依存せず、並行して民間案件も維持する体制を続けている。
この仕事が向かない人
- 守秘義務契約を守れない人(SNSに作業内容を投稿する習慣がある人は特に要注意)
- 採用されるまでの実績積み期間(最低3〜6ヶ月)に耐えられない人
- 単調な確認・補正作業を集中して続けられない人
ミノリで始める場合の違い
ミノリの登録は無料で、メールアドレスがあれば最短5分で始められる。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)をアップロードすると、レベル2以上のタスクに進める。確定申告向けの年間税務ステートメントもダッシュボードからダウンロードできる。
Footnotes
-
画像分類1枚5〜10円。出典:nextremer.com アノテーション費用相場 ↩
-
ランサーズ手数料:契約金額の16.5%(税込)。出典:ランサーズ システム手数料 ↩