デイサービスから戻るまでの4時間と5時間で、月42,600円を8ヶ月連続で維持している。最初の月は9,800円だった。
親の介護に入ったのが7年前。「外で働けない=稼げない」と思っていた。変わったのはアノテーション業務委託に出会ってから。急に呼ばれて中断しても、翌朝の親の状態を確認してから再開できる。これがどれほど重要か、介護をしていない人には分からないかもしれない。
「発注者向け解説」ばかりで受注者のやり方が分からなかった
SERPで「画像判定 アノテーション やり方」を調べると、上位はAI企業やアノテーション代行社の記事ばかりだ。バウンディングボックスとは何か、AIの学習データとは何か、という説明が延々と続く。
私が知りたかったのは発注者から画像を受け取った後、自分がどう動けばいいかだ。ツールの操作から納品ファイルの形式まで、受注者視点の手順書は存在しなかった。
1日4時間の作業フロー(受注から納品まで)
ステップ0: 案件受注時に確認する3点
案件を受ける前に必ず確認する。
- 納品形式: CSV形式か、JSON形式か、ツール内完結か
- アノテーションツール: Label Studio、CVAT、クライアント独自ツールのいずれか
- 納品期日と中断可否: 「当日納品」は受けない。翌日以降の余裕があるものだけ受注する
ステップ1: クライアントから画像受領(所要5〜15分)
| 手順 | 具体的な作業 |
|---|---|
| ファイルダウンロード | GoogleドライブURLをクリックして一括ダウンロード |
| フォルダ整理 | 案件名_日付のフォルダに格納 |
| ガイドライン確認 | PDFを開いてラベルの定義・サンプルを確認 |
| 疑問点メモ | 不明な箇所を書き出してメールで質問(即日対応不要と明示) |
ここで急かしてくるクライアントは長期には向かない。1日以内の返答が前提のクライアントとは今は組んでいない。
ステップ2: アノテーション作業(所要2〜3時間)
バウンディングボックスを例にとると:
- ツール(Label Studioなど)を開く
- 画像を1枚表示し、ガイドラインのラベル定義を横に開く
- 対象物にボックスを描き、ラベルを付与
- 1時間経過したら必ず15分休憩(目の疲労対策)
- 自己チェック:ボックスが対象物からはみ出していないか確認
私の処理速度は現在1時間で100〜120枚。1枚あたり10円単価の案件なら1時間換算で1,000〜1,200円相当になる。
ステップ3: 品質チェック(所要20〜30分)
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| ラベルの抜け | 全オブジェクトにラベルが付いているか |
| ボックスのズレ | 対象物から大きくはみ出していないか |
| ラベル名の表記ゆれ | 全角/半角の混在がないか |
| ガイドライン違反 | 禁止ラベルが混入していないか |
最初はここをサボってミスを返送された経験がある。今は必ず30分かける。
ステップ4: 納品(所要5〜10分)
| 作業 | 内容 |
|---|---|
| エクスポート | CSV/JSON形式でエクスポート |
| ファイル名確認 | クライアント指定のファイル名規則に合わせる |
| 送付メール | 件数・完了日・次回スケジュールを3行で書いて送付 |
納品後に一言「次の発注のご予定はありますか?」と添えるようになってから、継続発注率が上がった。
8ヶ月の月収推移
| 月 | 主な作業タイプ | 処理件数 | 月収 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 画像分類(○×判定) | 980件 | 9,800円 | ツール習得期 |
| 3ヶ月目 | 画像分類+バウンディングボックス | 1,820件 | 22,400円 | 2クライアントに増加 |
| 6ヶ月目 | バウンディングボックス中心 | 3,200件 | 38,400円 | 継続3社体制 |
| 8ヶ月目 | バウンディングボックス+ポリゴン | 2,840件 | 42,600円 | 高単価タイプ混合 |
ポリゴンアノテーション(1つ20〜50円)を一部受注してから月収が上がった。ただし1枚あたりの時間が増えるので、枚数は減った。
3つの失敗パターン
パターン1: 当日納品案件を受けてしまう
介護中に「今日中に納品」は現実的に不可能。受注時点で確認しなかった最初の3件は、親の体調不良で間に合わず、低評価をつけられた。今は明示的に「翌日以降の納期のみ受注可」と表明している。
パターン2: ガイドラインを読まずに作業開始する
「なんとなく分かる」で始めると、後半になってラベルの定義ミスを発見する。最初の画像5枚を処理してから「サンプルと合っているか」を必ず確認する習慣をつけた。
パターン3: 休憩なしで連続4時間作業する
親の介護で慢性的に睡眠不足の状態で4時間ぶっ通しは体に悪い。1.5時間→15分休憩のサイクルにしてから、ミス率が下がった。
この仕事が向かない人
- 毎日同じ時間に確実に作業できないとストレスが溜まる人
- 目が疲れやすく、PCの画面を長時間見るのがつらい人
- 同じ作業の繰り返しに飽きやすい(アノテーションは本質的に反復作業)
- 急な中断を誰かに申し訳なく感じてしまう人(介護ある以上は中断が必ず起きる)