「孤独感はありますか?」——3年間OCR業務委託を続けてきて、正直に言うとある。でも「続けてよかった」とも思っている。ネガ情報を省いたメリデメ記事が多すぎるので、転勤族の私が本音で語る。
OCR業務委託を始めたのは夫の転勤で地方都市に来た直後だ。3年前、月19,000円から始まったこの仕事は、今は月72,000円になった。地元の友人も、職場の同僚も、ランチを共にする相手もいない場所で3年間続けてきた。
メリット:本当によかった5つのこと
メリット1:転勤のたびに「また仕事を探す」ストレスがなくなった
これが最大のメリットだ。3年間で2回の転勤があったが、どちらの転勤先でも同じクライアントと仕事を続けられた。住所変更の手続き(プラットフォームのメール通知とクライアントへの連絡)だけで、翌月から同じペースで稼げた。
メリット2:収入が積み上がる
月19,000円 → 月72,000円まで積み上げるのに3年かかった。「すぐには上がらない」のは事実だが、実績と単価は着実に上がる。クラウドソーシングの手数料(ランサーズ16.5%1、クラウドワークス22%2)を考えても、年収が330万円近くなった。
メリット3:体調に合わせて作業量を調整できる
本業があった頃は体調が悪くても出社しなければならなかった。今は体調が悪い日は1〜2時間で切り上げ、体調が良い日に多めに稼ぐ。
メリット4:スキルが確実に積み上がる
3年前の処理速度(画像分類100枚/時間)が今は520枚/時間になった。速度5倍=1時間あたりの収入が5倍になった計算だ。単純作業に見えて「速度と精度を上げる」という技術は確実に育つ。
メリット5:確定申告で節税できる
フリーランスになってから経費計上ができるようになった。PC・通信費・プリンター・書籍などを業務按分で経費に入れている。税理士に相談して年間8〜12万円の節税ができている。
デメリット:誰も言わない3つの本音
デメリット1:孤独感は本当にある
これが最も書かれないデメリットだ。在宅ワークは「誰とも話さない日が続く」という現実がある。クライアントとのやり取りはほぼメッセージのみ。ランチを共にする同僚もいない。転勤先で友人がいない状況でOCR業務委託を3年続けると、孤独感は徐々に蓄積する。
私の対処法:週1回、オンラインの在宅ワーカーコミュニティのZoom通話に参加している。30分程度だが、これだけで「孤独感のリセット」になる。
デメリット2:単調さへの飽きが来る
画像分類・OCR補正は本質的に単調な作業だ。1年目は新鮮で集中できていたが、2年目から「同じ作業の繰り返し」への飽きが来た。モチベーションが下がって作業速度が一時的に落ちる「スランプ」が3ヶ月続いた。
対処法:案件の種類を2〜3種類に分散した。画像分類だけでなく、バウンディングボックス・OCR補正と複数の作業タイプを持つことで、「同じことしかしていない感」が薄れた。
デメリット3:会社員の安心感はない
厚生年金・健康保険の会社負担がないこと、国民年金(月17,920円・2026年度3)の全額自己負担、雇用保険がないことは重要なデメリットだ。月72,000円の手取りから社会保険料を引くと、実質的な可処分所得は50,000〜55,000円程度になる。
向いている人・向かない人
向いている人
- 転勤族、育児中、介護中、通院中など「通勤が難しい理由がある人」
- 単調な作業への集中が得意な人
- 収入が徐々に積み上がることを受け入れられる人
向かない人
- 人との直接的な交流がないと精神的に辛くなる人(孤独感のリスクは現実にある)
- 最初の1〜2年の低い月収(1〜4万円台)が生活を直撃する状況の人
- 社会保険の会社負担が必要な状況の人
Before/After:3年間の変化
Before:3年前の転勤直後
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 月収 | 0円(無職) |
| 作業速度 | 画像分類100枚/時間 |
| 孤独感 | 高い(転勤直後、知人ゼロ) |
| 生活の安心感 | 低い(収入なし) |
After:3年後の現在
| 項目 | 状況 |
|---|---|
| 月収(手取り) | 72,000円前後 |
| 作業速度 | 画像分類520枚/時間4 |
| 孤独感 | ある(対処法あり) |
| 生活の安心感 | 中(夫の収入に依存しなくなった) |
3つの失敗パターン
パターン1:孤独感を無視して「仕事に集中」しようとした
孤独感を「気持ちの問題」として放置したら、2年目後半にモチベーションが大きく下がった。孤独感への対処(コミュニティ参加など)は仕事継続のインフラだと今は考えている。
パターン2:単調さに飽きた時に休まずに続けた
飽きたままで作業を続けると、修正依頼が増えて収入が下がった。「飽きたら案件の種類を変える」ことを意識的にやるべきだった。
パターン3:社会保険コストを収入計算に含めていなかった
「月72,000円」を手取りと思っていたら、国民年金・国民健康保険で月2万円以上が引かれることを計算に入れていなかった。実質的な可処分所得は50,000〜55,000円だ。
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Footnotes
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ランサーズ手数料:契約金額の16.5%(税込)。出典:ランサーズ システム手数料 ↩
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クラウドワークス手数料:10万円以下の部分20%(税込22%)。出典:クラウドワークス システム利用料 ↩
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国民年金保険料2026年度は月額17,920円。 ↩
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画像分類1枚5〜10円。出典:nextremer.com アノテーション費用相場 ↩