年収312万円、手取りは214万円だった。差額98万円の正体を全部開示する。
OCR業務委託で稼ぐようになって1年。「源泉徴収って何%引かれるの?」「フリーランスの手取りってどう計算するの?」という疑問が最初に来た。調べると一般フリーランスの手取り記事ばかりで、OCR業務委託に特化した計算例が見当たらなかった。
年収312万円の源泉徴収計算
OCR補正や画像判定を業務委託で受ける場合、報酬から源泉徴収税が差し引かれる。
計算式(国税庁基準):
- 報酬が100万円以下の部分: 報酬 × 10.21%
- 報酬が100万円を超える部分: (報酬 - 100万円) × 20.42% + 102,100円
月26万円(年312万円)の場合は月ごとの支払いが100万円を超えないため、毎月10.21%が源泉徴収される。
| 月 | 請求額 | 源泉徴収額(10.21%) | 振込額 |
|---|---|---|---|
| 繁忙月 | 310,000円 | 31,651円 | 278,349円 |
| 通常月 | 260,000円 | 26,546円 | 233,454円 |
| 閑散月 | 210,000円 | 21,441円 | 188,559円 |
| 年計 | 3,120,000円 | 318,552円 | 2,801,448円 |
源泉徴収は「仮払い」なので確定申告で精算される。経費を計上すれば戻ってくる可能性が高い。
フリーランス転向時の手取り試算
副業ではなく専業フリーランスとして年312万円を稼ぐ場合、社会保険料が加わる。
国民年金(2026年度): 月17,920円 × 12ヶ月 = 214,640円/年
国民健康保険(東京都新宿区、年収300万円・40歳未満の目安): 年間約331,380円(自治体により異なる)
| 項目 | 年額 |
|---|---|
| 年収(請求ベース) | 3,120,000円 |
| 源泉徴収(10.21%) | △318,552円 |
| 国民年金(2026年度) | △214,640円 |
| 国民健康保険(概算・東京) | △331,380円 |
| 事業所得控除前の手取り | 2,255,428円 |
| 経費計上後の所得税(概算) | △40,000円前後 |
| 実質手取り(概算) | 約215万円 |
※確定申告・青色申告65万円控除・各種経費で変動する。上記はあくまで概算。
OCR業務委託特有の経費計上できる項目
一般フリーランス記事では触れられないが、OCR補正・画像判定の業務委託には計上しやすい経費がある。
| 経費項目 | 目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| PC購入費 | 按分(業務比率分) | 10万円以下なら一括、以上なら減価償却 |
| 外付けモニター | 業務利用比率分 | 視認性向上のための机上機材 |
| 電気代 | 業務時間比率分 | 在宅作業日が多いほど按分率が高い |
| 通信費(インターネット) | 業務時間比率分 | 固定費の50〜70%程度が一般的 |
| マウス・キーボード | 業務専用なら全額 | 一般消耗品として処理 |
これらを計上すると課税所得が下がり、源泉徴収分の一部が還付される。
副業のまま続ける場合の税の壁
現在は会社員として本業がある。副業の年間所得(売上−経費)が20万円を超えると確定申告が必要になる。年312万円の場合は当然必要。
一方で住民税の増額から会社にバレる可能性がある。対策は確定申告時に「住民税を自分で払う(普通徴収)」を選択すること。本業の住民税に副業分が上乗せされなくなる。
3つの失敗パターン
パターン1: 源泉徴収を「最終的な税額」と思い込む
源泉徴収は仮払い。確定申告で経費計上すれば還付される可能性がある。確定申告しないのは損。
パターン2: 経費計上せずに申告する
「経費って何が使えるか分からない」で申告をサボると、払いすぎた税金が戻ってこない。PC、通信費、電気代は多くの場合計上できる。
パターン3: 社会保険料を年収計画に入れていない
副業から専業フリーランスに転向する際、国民年金(年約21.5万円)と国保(年収300万で年約33万円)が加わる。合計50万円以上が純減する。これを込みで収入計画を立てないと資金繰りが苦しくなる。
この仕事が向かない人
- 確定申告を「誰かがやってくれるもの」と思っている
- 年間20万円以下に抑えて申告回避したい(本業収入があっても20万超えは要申告)
- 収入の波に精神的に耐えられない(OCR案件は月ごとに変動する)
- 社会保険料の実費を試算せずにフリーランス転向を検討している