経理の業務委託フリーランスは、自分の確定申告も自分で行います。青色申告の65万円控除を最大活用する実務手順と、2026年版のインボイス対応を整理しました。
確定申告が必要になる基準
業務委託収入が年20万円を超えたら原則必要です。具体的な基準:
- 副業: 本業以外の所得が年20万円超
- 専業: 事業所得がある時点で必要
- 医療費控除・寄附金控除を受ける場合も必要
青色申告の65万円控除を取る条件
最大65万円の控除を受けるには、以下を満たします。
- 青色申告承認申請書の提出(開業から2カ月以内)
- 複式簿記による記帳
- 貸借対照表・損益計算書の作成
- 電子帳簿保存または e-Tax 申告
10万円控除は上記を満たさなくても受けられますが、55万円の差は大きく、初年度から65万円控除を狙うのが合理的です。
経費として計上できる項目
経理業務委託フリーランスで計上可能な経費:
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 会計ソフト費用 | 年1.5〜2万円 |
| 通信費 | 月5,000〜10,000円 |
| 消耗品費(PC・モニター等) | 随時 |
| 交通費 | 実費 |
| 書籍・研修費 | 資格取得や業界研究 |
| 地代家賃 | 自宅の一部(按分必要) |
| 水道光熱費 | 自宅の一部(按分必要) |
| 接待交際費 | 実費 |
| 外注費 | 他フリーランスへの再委託 |
自宅按分は、作業スペース面積比率で決めるのが一般的です。
e-Taxでの申告手順
オンライン申告なら自宅で完結します。
- マイナンバーカード取得(1カ月)
- ICカードリーダーまたはスマホアプリ準備
- 会計ソフトで決算書作成
- e-Taxソフトまたは会計ソフトから送信
- マイナポータルで結果確認
e-Tax送信だと、青色申告65万円控除の電子申告要件を満たせます。
インボイス制度への対応
2026年9月30日で「2割特例」経過措置が終了します。売上規模別の対応方針:
売上1,000万円以下
- 免税事業者のままだと取引先からの敬遠リスク
- 課税事業者登録すると消費税納付義務発生
- 2割特例終了後は通常の消費税計算に
売上1,000万円超
- 課税事業者は必然
- インボイス登録番号を請求書に必ず記載
源泉徴収された報酬の扱い
経理業務の一部は源泉徴収対象です(税理士業務相当部分)。源泉徴収された金額は確定申告で精算します。
- 源泉徴収税率: 10.21%(100万円超部分は20.42%)
- 確定申告で還付 or 追加納付
源泉徴収された報酬は支払調書で確認し、合計額を申告書に記入します。
独立1年目の確定申告スケジュール
| 時期 | 作業 |
|---|---|
| 独立時 | 開業届・青色申告承認申請 |
| 毎月 | 売上・経費の記帳 |
| 12月 | 領収書・請求書の整理 |
| 翌年1月 | 決算整理(棚卸・減価償却) |
| 翌年2月 | 確定申告書作成 |
| 2月16日〜3月15日 | e-Tax申告 |
| 4月〜 | 住民税・国民健康保険料の通知 |
独立1年目は申告内容が少ない分、翌年の住民税・国民健康保険料で一気に請求が来ます。口座に十分な残高を確保しておきます。
税理士に頼むべきか
自分で申告できるのが経理業務委託フリーランスのメリットですが、売上1,500万円超または従業員を雇った段階で税理士依頼を検討します。
- 顧問料: 月2〜5万円
- 決算申告料: 10〜25万円
- メリット: 節税アドバイス、税務調査対応