経理業務委託の単価は、タイミングと話法次第で9割以上の交渉が通ります。改定しやすい5つの節目と、受け入れられやすい伝え方を整理しました。
節目1: 契約開始3カ月(初回改定チャンス)
3カ月経過時点で「業務範囲が想定より広がった」と交渉できる時期です。
- 話法: 「当初想定の月20時間に対し、実際は月30時間かかっています。業務範囲の再確認と単価見直しをお願いできますか」
- 改定幅: 10〜15%
- 成功率: 約60%
3カ月はクライアント側も運用状況が見えており、再設計に違和感が出にくい時期です。
節目2: 契約開始6カ月(定番改定期)
最も改定が通りやすい時期です。
- 話法: 「6カ月でいくつか改善提案を実行し、月次締めが2日早くなりました。成果を反映した単価見直しをさせてください」
- 改定幅: 15〜20%
- 成功率: 約80%
成果を数字で示せると交渉力が上がります。
節目3: 契約更新時(年1回)
契約書の自動更新時期は、改定交渉の正式な節目です。
- 話法: 「新年度に向けた契約更新のタイミングで、業界相場に合わせた単価改定をご相談させてください」
- 改定幅: 10〜15%
- 成功率: 約90%
契約書に更新条項が入っていれば、儀礼的な交渉として成立します。
節目4: 業務範囲の拡大時
クライアントから追加業務を依頼された時は、単価改定の好機です。
- 話法: 「連結決算補助の追加依頼、対応可能です。追加業務分として時給3,000円で対応させてください」
- 改定幅: 追加業務分の時給設定
- 成功率: 約95%
拒否されるケースはほぼなく、追加依頼=交渉チャンスと捉えます。
節目5: 資格取得・スキル向上時
新たな資格取得や認定を得た際は、能力の証明として改定交渉できます。
- 話法: 「先日freee認定アドバイザーを取得しました。これを機に、freee案件の単価を時給+200円で見直せますか」
- 改定幅: 資格次第で時給+200〜500円
- 成功率: 約70%
単価改定を通しやすい3つの話法パターン
パターンA: 成果ベース
「この3カ月で◯◯を改善した結果、◯◯のメリットが出ています。単価を◯%アップで反映させてください」
パターンB: 相場ベース
「業界相場の動きを受け、時給◯円への改定をお願いします。現状の◯円は市場平均を下回っています」
パターンC: 範囲ベース
「業務範囲が当初より広がっているため、時給ではなく月額固定に切り替え、月◯円でお願いします」
クライアント規模別の成功率
| クライアント | 改定成功率 | 改定幅の目安 |
|---|---|---|
| 上場企業 | 70〜85% | 5〜15% |
| 中堅企業 | 60〜80% | 10〜20% |
| スタートアップ | 50〜70% | 10〜25% |
| 小規模法人 | 30〜50% | 5〜10% |
改定を断られた時の対応
断られた場合、以下の選択肢があります。
- 3カ月〜6カ月後に再交渉
- 業務範囲を縮小して時給換算を上げる
- 契約解除を見据えて別案件を探す
- 現状維持で様子を見る
1件の改定に固執せず、複数クライアントで並行して交渉すると、リスクが分散されます。
改定交渉の禁じ手
避けたい伝え方:
- 「他社はもっと出してくれる」(相対評価はNG)
- 「生活が厳しい」(プライベート事情の持ち込み)
- 「この金額じゃやらない」(最後通牒型)
相手の立場を尊重した提案型の話法が、長期関係を保ちながら単価を上げる鍵です。