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「体調の波があっても文字起こしは続けられる?」線維筋痛症29歳の正直な答え

ミノリ編集部2026-04-10

体調の波と付き合いながら、文字起こし案件で月28,640円。5ヶ月目の結果。29歳、線維筋痛症。いい日は1日3時間作業できるが、悪い日は布団から出られない。月ペースで見ると「作業時間ゼロの日が月8日、60分以下の日が月6日、2〜3時間作業できる日が月16日」という偏りがある。納期のある通常案件は無理と早めに気づいて、「納期が緩い継続契約」に絞ったのが続けられた理由だった。

文字起こしの相場は1分200〜300円(Notta)、個人発注だと1分100円程度(TASRU)という水準。筆者の案件は1分平均140円。これを月間で約230分処理した計算になる。

文字起こし案件の種類と体調との相性

在宅で受けられる文字起こし案件は、納期・専門性・クオリティ要求で大きく4種類に分類できる。体調が不安定な人に向いているのは、下2つだけだ。

案件種別1分あたり単価(手取り)納期体調不安定な人への相性
ニュース・報道の速記240円24時間以内不向き(即時性要求)
学術論文インタビュー180円3〜5日不向き(長時間集中)
会議録音の議事録化140円7〜10日〇(納期が緩い)
Youtube動画の字幕作成96円14日以上◎(自分のペース)

1ヶ月目は「ニュース速記」に応募して納期を守れず、その日のうちに契約解除された。体調を考慮せずに手を出したのが失敗だった。

1ヶ月目: 納期地獄で心が折れた

1ヶ月目、体調がいい日に「明日までに30分のインタビュー音声を文字起こし」という案件に応募して採用された。単価は1分280円、30分で8,400円。

しかし翌日、筆者の体調が悪化。布団から起き上がれず、作業に1分も手をつけられなかった。深夜になって「体調不良のため明日まで延期してください」と連絡したが、発注者は「明日朝までの必着です」の一点張り。結局、未完納で契約解除、報酬ゼロ。

納期のある案件は、体調の波がある人には致命的と学んだ。1ヶ月目の収入は、納期が比較的緩い案件1件で6,240円。

2ヶ月目: 納期14日以上の案件だけに絞った

2ヶ月目は戦略を180度変えた。応募する案件の必須条件に「納期14日以上」を追加。体調が悪い日に休んでも、次の週で巻き返せる余裕を作った。

取った案件:

  • A社: 60分の会議録音×月4件、納期14日、1件8,400円 (1分140円)
  • B社: YouTube動画の字幕作成、月10本×各10分、1本960円

2ヶ月目の収入は12,960円。作業時間は月22時間(体調不良で月8日は完全休養)。時給換算約589円。

3ヶ月目以降: 「作業メモ」で再開効率を上げた

文字起こしは、中断すると再開時に「どこまで聞いたか」「話者の名前割り当て」「文脈」を思い出す時間が必要になる。体調が悪化して3日作業を止めると、再開時の最初の20分が無駄になることが頻発した。

対策として、作業中断時に必ず以下4項目を作業メモ.txtに書くルールを導入した。

中断日時: 2026-XX-XX 14:32
現在位置: 音声34:12
話者: A=社長, B=経理部長, C=営業課長
次の話題: 来期予算の議論

この4項目を残しておくと、再開時の立ち上がりが5分で済む。この改善で、体調が戻った日の実作業時間が20分増えた。

月次収入の推移と体調の波

体調の波は予測不能だが、月ペースで見るとある程度の傾向が見える。筆者の5ヶ月間の実績はこうだった。

作業可能日数/月月総作業時間月収入(手数料後)平均時給
1ヶ月目14日(初月で加減わからず)18時間6,240円347円
2ヶ月目17日22時間12,960円589円
3ヶ月目12日(体調悪化)14時間9,200円657円
4ヶ月目19日28時間21,840円780円
5ヶ月目22日35時間28,640円818円

5ヶ月目の作業可能日数22日は、筆者にとっては「例外的にいい月」だった。平均すると月16〜18日が現実的なライン。時給換算は800円前後を目指すのが無理のない目標だ。

通院による収入ゼロ週の実例

筆者は月2回の通院(検査+問診)がある。通院の週は以下のパターンになる。

曜日体調状態作業時間
通院前日、不安30分
通院日(午前)0分
通院後の疲労0分
体調が少し戻る60分
通常に戻る120分

通院週の合計は3.5時間。通院週は月収の4分の1を占める週なのに、実作業は月平均の5分の1という計算になる。この偏りを織り込んで月次ペースを設計する必要があった。

3つの失敗パターン

パターン1: 納期12時間の速記案件で契約解除

前述の通り、1ヶ月目の「24時間以内納期」の案件で体調不良で間に合わず、発注者に迷惑をかけて契約解除された。納期14日未満の案件には応募しないというルールを徹底した。

パターン2: 体調がいい日に無理して翌日潰れた

「今日は調子がいい」と4時間連続で作業した翌日、反動で丸1日動けなくなった。調子がいい日でも1日2時間で必ず切るという体調管理のルールを作った。これで月次の作業総時間が増えた。

パターン3: 医療費の支払いで赤字月が発生

通院月は医療費(診察+薬代+交通費)が約6,800円かかる。月収入9,200円の月は実質収入が2,400円。医療費分を固定費として別管理し、「生活費を賄うための副収入」と「医療費を賄うための副収入」を分けて考えるようにした。

この仕事が向かない人

文字起こしの在宅ワークを始めるのは、持病や障害で外出困難な人でも、次の条件に当てはまる人には向かない。

  • タイピング速度が毎分30文字未満の人(単純に作業が進まない)
  • 音声を2〜3時間連続で集中して聞けない(1時間の音源を2時間以上かかる)
  • 手指や耳に症状があり、キーボード/ヘッドホンの使用が辛い人
  • 月3万円以上の安定収入が必須の人(体調の波で実現が難しい)
  • 納期のストレスが症状を悪化させる人(軽度の納期でも影響が出る)

逆に「タイピングは普通にできる」「1日1〜2時間なら集中できる」「納期14日以上の案件なら引き受けられる」「月1〜3万円の収入で生活のプラスになる」という体調不安定な人には、通勤ゼロ・自分のペース・在宅完結の条件が揃った数少ない選択肢だった。

医療費と収入のバランス

線維筋痛症の治療で月間の医療費は平均6,800円。月収入28,640円から医療費を引くと実質21,840円。この実質収入が、自立を目指す上での重要な指標だった。

月収入医療費実質収入
1ヶ月目6,240円6,200円40円
2ヶ月目12,960円6,600円6,360円
3ヶ月目9,200円12,400円(検査月)-3,200円
4ヶ月目21,840円6,800円15,040円
5ヶ月目28,640円6,800円21,840円

3ヶ月目は検査が重なって医療費が倍増し、赤字月になった。この赤字月があることを前提に、貯金の緩衝期間を設定するのが長く続けるコツだった。

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