税理士事務所で5年間働いて、独立5ヶ月目。月次決算代行の在宅業務で月96,400円まで到達した。法人3社と月額契約、うち2社は12万円/月の継続ラインが見えている。30歳、簿記2級保有、税理士試験2科目合格(簿記論・財務諸表論)の駆け出しフリーランス。国民年金17,920円(マネイロ)+国保+住民税の合計約4万円の固定費を払いつつ、月収96,400円で生活費の半分を賄えるようになった。
月次決算代行の業界相場は、月1万円から多い場合で数十万円まで幅があり(Step-base)、業務内容と企業規模で大きく変わる。筆者が受けているのは「月1,500〜3,000仕訳・月次試算表作成・月次報告書作成」のパッケージで、月24,000〜32,000円の水準。税理士事務所時代の実務経験が武器になっている。
月次決算代行の業務内容と単価
月次決算は「月末に締めて、翌月初〜中旬に試算表を出す」一連の流れ。具体的な作業は以下の通り。
| 業務フェーズ | 作業内容 | 所要時間 |
|---|---|---|
| 1. データ回収 | 領収書・請求書・通帳コピーを受領 | 1-2時間 |
| 2. 仕訳入力 | 会計ソフトに入力(1000〜3000件) | 10-20時間 |
| 3. 試算表作成 | 月次試算表を出力・確認 | 1時間 |
| 4. チェック | 残高照合・異常値チェック | 2-3時間 |
| 5. 報告書作成 | 月次報告書(PDF)を作成して発注者に送付 | 2-3時間 |
小規模法人(月1,500仕訳程度)なら1社あたり16〜28時間程度で完了する。時給換算は1,500円前後が相場。
1ヶ月目: 税理士事務所時代の顧客から1件受注
1ヶ月目、税理士事務所時代に担当していた顧客(辞める時の引き継ぎで関係が良好だった会社)から「もし独立するなら、月次決算をお願いしたい」と声がかかった。ただし、税理士事務所との兼ね合いで、業務内容は「仕訳入力+試算表の草案作成まで。正式な決算は事務所が行う」という限定的なものだった。
月報酬は24,000円(月1,800仕訳)。1ヶ月目の収入はこの1社のみで24,000円。
ここでの注意点は、元勤め先の税理士事務所との関係を壊さないこと。筆者の場合、退職時に所長と「独立後も事務所の業務と競合しない範囲で仕事する」ことを合意済みだった。この合意がないと顧客紹介は受けられない。
2-3ヶ月目: ランサーズで新規2社獲得
2ヶ月目は、ランサーズで「小規模法人の月次決算代行、月額契約希望」という自己提案型のプロフィールを作成した。税理士試験の合格科目(簿記論・財務諸表論)を前面に出すと、3件の発注相談があった。
うち2件と月額契約を結んだ:
- B社(サービス業、従業員8名): 月28,000円、月2,200仕訳程度
- C社(製造業、従業員15名): 月32,000円、月2,800仕訳程度
2ヶ月目の収入は、A社継続(24,000円) + B社(28,000円) = 52,000円。3ヶ月目にC社が加わって82,000円に到達した。
4-5ヶ月目: 月96,400円の内訳
5ヶ月目時点での月収内訳:
- A社継続: 月1,800仕訳、24,000円
- B社継続: 月2,200仕訳、28,000円
- C社継続: 月2,800仕訳、32,000円
- スポット案件(D社の決算月補助): 12,400円
- 合計: 96,400円
1日5時間×月20日=100時間で96,400円、時給換算964円。ランサーズ手数料16.5%(ランサーズ)を既に控除した数字。
3社すべてが継続月額契約のため、案件探しの時間がほぼゼロ。本業案件が安定するまでのつなぎとして計算が立つ収入源になった。
月次決算代行の単価交渉プロセス
2ヶ月目にB社と契約する際、相場より安い「月18,000円」を提示されたが、以下のロジックで月28,000円まで引き上げた。
- 時間当たりコストの明示: 月2,200仕訳の入力+試算表作成で、筆者の作業時間は約22時間。時給1,000円換算で月22,000円が最低ライン
- 品質の根拠: 税理士事務所5年+簿記2級+税理士試験2科目合格という経歴を提示
- 発注者のコスト比較: 税理士事務所に同じ業務を依頼すると月4〜6万円の相場(クラウドワークスTimes)だと説明
- 初月トライアル: 「初月限定で20%オフ(22,400円)でお試し」を提案
この4ステップで、発注者に「月28,000円でも税理士事務所より割安」と理解してもらえた。2ヶ月目に22,400円(トライアル価格)、3ヶ月目から28,000円の正規価格で継続している。
3つの失敗パターン
パターン1: 元勤め先の顧客を強引に引っ張ろうとして失敗
退職時、「独立後に顧客を引っ張るのは税理士業界ではタブー」と所長から釘を刺されていた。2ヶ月目に元担当の別の顧客に声をかけようとして、所長から厳重注意を受けた。元勤め先との関係は最優先で守るのがフリーランス生命の前提。筆者はその後、ランサーズでの新規開拓に軸足を切り替えた。
パターン2: 月末締めの集中で体調崩しかけた
月次決算は月末の1週間(特に月末日から5営業日まで)に作業が集中する。3ヶ月目、B社とC社の締め日が重なって1日9時間作業する日が3日続き、腰と目が限界に近かった。契約時に締日を分散する交渉(月末締めと15日締めに分ける等)を4ヶ月目から試みた。
パターン3: 試算表の残高照合ミスで信頼失墜
4ヶ月目のB社案件で、試算表の現預金残高を誤転記して発注者に提出。翌日指摘されて修正したが、「月次報告書として信頼できない」とフィードバックを受けた。試算表提出前に必ず前月残高との差分確認を行うチェックリストを作成した。
この仕事が向かない人
月次決算代行の在宅フリーランスを始めるのは、次の条件に当てはまる人には向かない。
- 日商簿記2級相当の知識がなく、月次仕訳の判断ができない人
- 経理実務経験が2年未満の人(案件の品質基準を満たせない)
- 月末締めの繁忙期に1日8時間以上の作業が不可能な人(生活リズムが不規則な人)
- クラウド会計ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)3種類すべて触ったことがない人
- 税理士事務所・会計事務所との差別化が説明できない人(単価交渉で負ける)
逆に「簿記2級以上」「経理実務経験3年以上」「クラウド会計ソフト操作に慣れている」「月末締めの集中作業に耐えられる」「税理士事務所のコスト構造を理解している」という駆け出しフリーランスには、月8〜12万円の安定収入を作れる選択肢だ。
月次推移(開始〜5ヶ月目)
| 月 | 担当社数 | 月総時間 | 月収入(手数料後) | 時給換算 |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 1社 | 22時間 | 24,000円 | 1,090円 |
| 2ヶ月目 | 2社 | 52時間 | 52,000円 | 1,000円 |
| 3ヶ月目 | 3社 | 82時間 | 82,000円 | 1,000円 |
| 4ヶ月目 | 3社 | 88時間 | 84,000円 | 954円 |
| 5ヶ月目 | 3社 | 100時間 | 96,400円 | 964円 |
3社継続契約で月9万円超えが安定した。6ヶ月目以降にD社の月契約化が決まれば月12万円が視野に入る。
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