MOS取得で採用率は上がった。でも時給への効果は「ゼロに近い」が僕の結論だ。
半年かけて検証した。MOS Excel スペシャリスト取得にかかった費用は12,980円。取得前後でクラウドソーシングの採用率と時給換算をログに記録し続けた。その数字を全部公開する。MOS取得を考えているなら、この記事を読んでから決断してほしい。
MOS取得前後の実データ比較
Before(取得前3ヶ月)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 応募数 | 47件 |
| 採用数 | 8件 |
| 採用率 | 17% |
| 平均実時給 | 680円 |
| 月収平均 | 18,200円 |
After(取得後3ヶ月)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 応募数 | 38件 |
| 採用数 | 9件 |
| 採用率 | 24% |
| 平均実時給 | 730円 |
| 月収平均 | 22,800円 |
採用率は17%→24%に改善した。実時給は680円→730円で**+50円/時間**。月収は約4,600円の増加。
MOS取得費用12,980円を回収するには、1ヶ月あたり4,600円の増収で計算すると約2.8ヶ月かかった。
「回収できたじゃないか」と思うかもしれないが、採用率改善の要因がMOSだけとは言えないのが問題だ。取得後3ヶ月は同時にプロフィール文章も書き直し、実績件数も増えていた。MOS単体の効果を分離できていない。
「MOSが効く案件」と「効かない案件」の差
クラウドソーシングのデータ入力案件を分類すると、MOS資格の有無が採用に影響するケースはかなり限られる。
MOS記載が効果ある案件(全体の20%程度):
- Excelフォーマットへのデータ転記(VLOOKUP・ピボットの理解が必要)
- 顧客管理データベースの整備
- 財務データの集計・レポート作成補助
MOS記載が効果薄い案件(全体の80%程度):
- Webフォームへの入力(スキル不問)
- テキストのコピー&ペースト系
- 画像から文字を起こすだけの作業
- 名刺・アンケート集計(書式固定)
多くのデータ入力案件は「コピー&ペースト + 確認」の単純作業が主体で、Excel関数の知識を問われない。クラウドワークスの時間単価相場(1,000〜1,400円)1に達するには、MOS取得より案件の複雑度と実績件数のほうが影響が大きかった。
MOSの代替になる無料の証明手段
MOS受験料(一般12,980円、学割9,680円)2を払わずに、類似の証明効果を得る方法:
| 方法 | コスト | 効果 |
|---|---|---|
| e-typing測定スコアをプロフィール記載 | 無料 | タイピング速度の数値証明 |
| クラウドソーシング実績100件 | 時間投資のみ | 信頼度は最高水準 |
| MOS練習問題を解いた動画をプロフィールに添付 | 無料 | 技術力の可視化 |
| スプレッドシート管理の具体例を提案文に書く | 無料 | 発注者の理解が上がる |
実際、取得後の採用率改善(17%→24%)のうち、どれだけがMOSで、どれだけが実績件数の増加によるものか判断できなかった。僕の体感では、実績件数が50件を超えた時点での採用率改善のほうが劇的だった。
MOS取得をすすめるケース・すすめないケース
MOS取得をすすめる場合
- Excelスキルを証明したい本業での転職・昇進も視野に入れている
- 単純入力以外の「Excel活用案件」に特化して応募したい
- 資格という明確な証明物が心理的安心感になる
MOS取得をすすめない場合
- データ入力副業の収入を月5万円以内の副収入と割り切っている
- 取得費用12,980円を先行投資するより実績件数を積みたい
- 取得に向けた学習時間(20〜40時間)を実際の稼働に回したい
3つの失敗パターン
パターン1: MOS取得後すぐに単価交渉して断られる
MOS取得直後に「スキルが上がったので単価を上げてほしい」と発注者に交渉したが、断られた。発注者が求めるのは「安定した品質の実績」であり、資格証明書ではなかった。
パターン2: MOS試験に向けた学習で稼働時間を犠牲にする
MOS学習に4週間×週末5時間を費やした。この期間の副業収入は前月比52%減になった。学習期間の機会コストを事前に計算せず、結果として資格回収期間がさらに長くなった。
パターン3: MOS全科目を取ろうとして費用が膨らむ
「Word・Excel・PowerPoint全部取ろう」と意気込み、試験費用が39,000円近くになった同僚がいる。データ入力副業への影響という意味では、Excelスペシャリスト1科目で十分だった。
この仕事が向かない人
- 資格の有無で収入が決まると信じて疑わない人: データ入力副業では実績と品質が最優先。資格は加点要素に過ぎない
- 投資回収まで待てない人: 12,980円の回収に3ヶ月前後かかる。短期で収入を最大化したいなら実績積みを優先
- Excelをほぼ使わない案件に応募し続ける予定の人: 案件内容とMOSのマッチ度が低ければ、取得メリットが薄い
ミノリで始める場合の違い
ミノリには5段階のワーカーレベルシステムがある。レベル2(10件以上完了・本人確認済)から始まり、レベル3(50件以上・品質スコア0.7以上)になると受注できる単価帯が広がる。MOS資格の有無よりも、このレベルと品質スコアが受注機会に直結する設計だ。登録はメールアドレスだけで無料から始められる。
Footnotes
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クラウドワークス公式「データ入力の時間単価相場はどれくらい?」(https://crowdworks.jp/articles/6789/) ↩
-
シカクト「MOSの受験料はいくら?」(https://hiraku.mynavi.jp/shikaku/entry/s194_co_20_0156) ↩