時給1,350円×週20時間×4.2週 = 月額113,400円が目安額。厚生年金・健康保険控除後の手取りは月92,680円になる。育休中に扶養に入るか入らないかで、年収の「壁」は3段階で変わる。
育休中の31歳として、復帰まで6ヶ月の間に派遣データ入力で収入を確保したい。ただし育休給付金を受給している状態で働くと、給付金との調整・夫の扶養の壁・社会保険加入ラインが複雑に絡み合う。「月いくら稼げるか」ではなく「手取りを最大化しながら壁を超えない条件設計」が必要だ。
育休中の派遣就労の前提条件を整理する
育休中に就労すること自体は法律上禁止されていないが、条件がある。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 育休給付金への影響 | 就労日数が月10日以下、または月10日超でも就労時間が月80時間以下であれば給付金は全額支給継続1 |
| 派遣会社への届け出 | 育休中の副業・就労許可を元の職場(育休取得先)に確認する必要がある会社が多い |
| 社会保険 | 育休中も元の職場の社会保険に加入継続。派遣の就労時間が週20時間以上かつ月額88,000円以上になると派遣先でも社保加入義務が発生する場合がある |
派遣で週20時間稼働する場合、月80時間の就労制限にかかる可能性がある。「月112,300円(月83時間稼働)」は制限ライン直前の設計になる。
2026年社保料率での手取り計算(早見表)
2026年度(令和8年度)の協会けんぽ健康保険料率は全国平均9.90%2、厚生年金保険料率は18.3%(折半で9.15%)3。育休中に別の会社(派遣元)で社保に加入する場合の概算計算:
| 月収(額面) | 健康保険料(9.90%×1/2) | 厚生年金(9.15%) | 所得税(概算) | 手取り概算 |
|---|---|---|---|---|
| 80,000円 | 3,960円 | 7,320円 | 1,000円 | 67,720円 |
| 100,000円 | 4,950円 | 9,150円 | 2,000円 | 83,900円 |
| 112,300円 | 5,559円 | 10,275円 | 2,680円 | 93,786円 |
| 130,000円 | 6,435円 | 11,895円 | 3,800円 | 107,870円 |
※育休中に元職場の社会保険が継続している場合、派遣先で別途社保加入になるかはケースバイケース。週20時間未満・月88,000円未満なら派遣先での社保加入義務は発生しにくい。
扶養壁3段階と最適稼働の設計
夫の扶養に入るかどうかで3つのラインが存在する。
| 壁の種類 | 年収ライン | 超えた場合 | 推奨月稼働時間 |
|---|---|---|---|
| 103万円の壁 | 年103万円以内 | 所得税が発生(配偶者控除も段階縮小) | 月83時間以内(時給1,350円) |
| 130万円の壁 | 年130万円以内 | 夫の扶養から外れ、自分で社保加入が必要 | 月95時間以内(時給1,350円換算) |
| 150万円の壁 | 年150万円以内 | 夫の配偶者特別控除が縮小(満額→段階的減少) | 月109時間以内(時給1,350円換算) |
月112,300円(83時間×1,350円)は年換算で1,347,600円。130万円の壁を超えるため、派遣の健康保険に加入するか夫の扶養から外れるかの判断が必要になる。
130万円の壁を超えない設計(月収1,300円/時×75時間):
月額: 97,500円
年額: 1,170,000円 < 130万円 ✓
月手取り(社保なし): 約95,000円
150万円の壁を超えない設計(月収1,350円/時×93時間):
月額: 125,550円
年額: 1,506,600円 → 150万円超
※月91時間設計に調整が必要: 1,350円×91時間×12=1,474,200円
育休中に月112,300円の設計が向く人、向かない人
向く人:
- 夫の会社が配偶者の副業・就労を扶養条件の制限対象にしていない
- 育休中の就労について元職場の了承が取れている
- 130万円を超えて自己負担の社保料が発生しても手取りが増えると判断できる
向かない人(以下は要注意):
- 育休給付金の受給要件を満たす就労時間の管理が難しい
- 夫の会社の扶養規定が「健保組合独自の壁(106万円)」を設けている
- 育児のペースが安定しておらず、月稼働時間の計画が難しい
3つの失敗パターン
パターン1: 育休給付金の就労制限を確認しないまま働き始める
就労日数が月10日を超えて給付金が減額になったケース。月112,300円稼いで給付金が月5〜6万円減額では実質マイナスになりうる。雇用保険の受給資格者証を確認し、就労制限の条件を事前に把握する。
パターン2: 年収ベースで計算せず月収ベースで考える
「月10万円だから大丈夫」と思っていても、育休期間が半年続くと年収60万円加算。元の給与所得との合算で所得税・住民税の計算が変わる。
パターン3: 復帰直前の月に稼ぎすぎる
復職月に派遣収入が高く、元職場の年収に合算されると年間の扶養控除・各種控除の計算が複雑になる。復帰月は稼働を抑えるのが無難だ。
ミノリで始める場合の違い
業務委託や副業で気になる確定申告について、ミノリは年間の税務ステートメントAPIを提供している。源泉徴収済みの金額が一覧で出るので、確定申告書類の作成時にコピペするだけで済む。育休中に複数の収入源(育休給付金・派遣収入)が発生するケースでは、収入記録を年間でまとめる機能が確定申告時に役立つ。