データ入力派遣から正社員への切り替えは、働き方の大きな転機です。労働者派遣法33条により、派遣会社は派遣先への直接雇用を妨げてはならないと定められており、制度的には切り替えが可能です。2026年の実務に沿って、現実的な3つのルートと手続きを整理します。
ルート1: 紹介予定派遣を活用する
最も確実なのが紹介予定派遣です。派遣期間の上限は6ヶ月と法律で定められており、期間満了時に派遣先と派遣労働者の双方合意で正社員(または契約社員)へ切り替わります。
| 段階 | 期間 | やること |
|---|---|---|
| 派遣期間 | 最長6ヶ月 | 業務遂行能力と人柄を双方で見極め |
| 意向確認 | 期間終了前 | 正社員化の意思表示 |
| 労働条件提示 | 意向確認後 | 給与・役職・勤務条件の合意 |
| 直接雇用開始 | 期間満了翌日 | 試用期間なしで本採用 |
紹介予定派遣は派遣先に試用期間を別途設けることが認められていません。派遣期間自体が事実上の試用として機能する仕組みです。
ルート2: 通常派遣から直接雇用への切り替え
一般的な派遣契約からでも、派遣先と派遣労働者が合意すれば直接雇用への切り替えは可能です。派遣会社に事前相談し、紹介手数料や調整事項をクリアにする必要があります。
- 派遣元への事前連絡(円満移行の基本)
- 紹介料:派遣先が派遣会社に年収の20〜30%程度支払うケースが多い
- 雇用形態:正社員・契約社員・パートから選ぶ
- 勤続年数の継承:有給日数など一部引き継ぎ可能な項目もある
派遣先が直接雇用に踏み切るかは業績・人員計画次第ですが、長期で働き実績を出していると打診が来やすくなります。
ルート3: 無期雇用派遣からの段階移行
派遣会社と無期雇用契約を結ぶ無期雇用派遣も、正社員化への足掛かりになります。雇用の安定性が高まり、派遣会社のキャリア支援を受けながら正社員へステップアップするケースも増えています。
- 同じ派遣先で3年超の就業が可能
- 派遣会社の正社員登用制度を利用できる場合がある
- 案件の合間も給与支給あり
正社員化で変わる3つの条件
直接雇用に切り替わると、給与・待遇の構造が大きく変わります。
- 月給制:時給制から月給制になり賞与が支給される
- 退職金:一定期間以上勤務すると退職金が発生
- 福利厚生:住宅手当・家族手当・通勤定期代全額支給など派遣時代にない項目が追加
一方で残業対応や責任範囲は拡大する傾向にあります。ワークライフバランスを重視する場合、派遣のままの選択肢も合理的です。
キャリアアップ助成金の活用
派遣先企業は、派遣労働者を正社員として直接雇用すると国からキャリアアップ助成金を受給できる場合があります。派遣先にとっては採用コストの軽減になり、正社員化の後押しになる制度です。交渉の際、助成金制度の活用を派遣元・派遣先に確認すると話が進みやすくなります。