VLOOKUP関数を覚えて8ヶ月後、時給は1,180円から1,340円になった。月4時間×22日勤務で換算すると月収は13,760円増え、年間換算で165,120円の差になる。
62歳、定年退職からちょうど半年が経った頃に派遣登録を始めた。Excel歴は30年以上あるが、使ってきたのはSUM・AVERAGE・セルの書式設定が中心で、VLOOKUP関数は名前を聞いたことがある程度だった。最初の案件の時給は1,180円。「データ入力未経験でExcel基本操作のみ」というスキル評価が正直に反映された数字だった。
時給1,180円の案件でやっていた業務
登録から2週間で紹介を受けたのは、医療機器メーカーの受注データ集計補助。業務内容は「CSVを開いてExcelに貼り付け、件数を確認して所定のフォームに転記する」という繰り返し作業だった。
平均すると1日80〜100件。ミスが出ると翌日に差し戻しが来る。目が疲れやすく、3時間超えると集中が落ちる実感があった。
| 業務項目 | 1日あたり処理件数 | 所要時間 |
|---|---|---|
| CSV確認・貼り付け | 90件 | 45分 |
| 件数照合 | 90件 | 30分 |
| フォーム転記 | 90件 | 90分 |
| 差し戻し確認 | 平均3件 | 15分 |
合計約3時間の作業。時給1,180円×3時間=3,540円/日。目が疲れる、単調、その割に繊細さが必要な仕事だった。「このまま同じ単価で続けるより、スキルに投資したほうがいい」と判断したのは就業開始から2ヶ月後のことだ。
Excelスキルと時給の3段階マップ(実体験ベース)
8ヶ月で複数の案件に触れた経験と、派遣担当者との会話から見えてきた時給の実態はこうだ。
| スキルレベル | 代表関数/機能 | 時給目安 | 案件の典型業務 |
|---|---|---|---|
| 基本操作 | SUM、書式、フィルタ | 1,100〜1,250円 | CSV転記、件数確認 |
| 中級 | VLOOKUP、IF、COUNTIF | 1,280〜1,400円 | データ突合、差分抽出 |
| 上級 | ピボットテーブル、マクロ基礎 | 1,380〜1,600円+ | 集計レポート作成、自動化 |
「基本操作のみ」で始まった時給1,180円から、VLOOKUP習得後に1,340円へ切り替わったのは、この表通りの動きだった。
VLOOKUP習得の実際のコストと期間
独学で取り組んだ。使ったのは無料のYouTube解説動画と、自宅にあった「Excel関数逆引き辞典」(古いが基礎は十分)。
- 学習期間: 3週間(1日30〜45分)
- 費用: 0円(YouTube + 既存書籍)
- 練習に使ったデータ: 自分の家計簿データ(実際のデータで練習が一番定着した)
- 最初につまずいた箇所: 検索値と配列の列番号がずれる「1つズレ問題」
3週間目に「VLOOKUPで商品コードから品名を引っ張る」練習を自力で完成させた。その翌週、担当者に「中級Excel可能」と申告して案件の見直しを依頼した。
Before: 基本操作のみ時代(月収計算)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 時給 | 1,180円 |
| 1日勤務時間 | 4時間 |
| 月稼働日 | 20日 |
| 月収(税込) | 94,400円 |
After: VLOOKUP習得後(月収計算)
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 時給 | 1,340円 |
| 1日勤務時間 | 4時間 |
| 月稼働日 | 20日 |
| 月収(税込) | 107,200円 |
差分は12,800円/月。学習コストはゼロだったので、初月から純利益になる計算だ。
VLOOKUP「だけ」では足りなかった現実
1,340円の案件を継続しながら気づいたのは、「VLOOKUPを使える」と「業務でVLOOKUPを使いこなせる」の間に大きな溝があることだ。
実際に詰まったのは3パターン:
- 複数シートにまたがるVLOOKUP: 参照範囲を別シートで指定する書き方を知らず、最初の1週間はうまくいかなかった
- #N/Aエラーへの対処: IFERROR関数との組み合わせを教わるまで、エラーが出るたびにデータを見直していた
- 数値と文字列の型不一致: 商品コードが数値形式と文字列形式で混在していてVLOOKUPが機能しないケース
これらを乗り越えて約2ヶ月後に「VLOOKUPを安定して使える」状態に到達した。
3つの失敗パターン
パターン1: 最初から高スキル案件に応募した
登録直後に「Excelアドバンスト」要件の案件に興味を持ち、担当者に「少しできます」と伝えたところ、スキルチェックで低評価を受けた。正直に「基本操作のみ」と申告し直すことになり、担当者との信頼関係を損ねた。
パターン2: 学習ペースを過大評価した
「1週間でVLOOKUPをマスターする」と宣言したが実際は3週間かかった。焦りから練習が雑になり、エラーへの対処法を中途半端にしか理解しないまま業務に入り、初週に差し戻しが3件出た。
パターン3: スキルアップを担当者に報告しなかった
習得後も2週間、担当者に申告しなかった。自分から動かないと時給は上がらない。派遣は正社員と違い、スキル変化を能動的に伝える必要がある。
この仕事が向かない人
- 単調作業でも集中を維持するのが苦手な人(データ入力は本質的に繰り返し作業)
- 差し戻しや間違い指摘をストレスに感じやすい人(数字の正確性が最優先される職場が多い)
- Excel習得に1〜2時間以上/日を継続投資できない人(スキルアップ目的なら学習時間が必要)
- 目の疲労が特に強い人(長時間モニターを見続けることが前提の業務)
62歳という年齢での目の疲れは実際に深刻で、1日3時間を超えると集中力が目に見えて落ちた。4時間勤務という設定が自分には最適だった。
ミノリで始める場合の違い
ミノリの登録は無料で、メールアドレスがあれば最短5分で始められる。本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)をアップロードすると、レベル2以上のタスクに進める。確定申告向けの年間税務ステートメントもダッシュボードからダウンロードできる。シニアにとって税務書類の整理は特に手間がかかる部分なので、一覧で出力できる点は実務で助かる。