在職老齢年金の仕組みを正確に理解してから稼働量を決めた。月の総収入(年金+派遣収入)が基準額65万円(2026年4月時点)を超えると、年金の一部がカットされる。この基準額を踏まえて月54,600円の派遣収入を設計した記録だ。
62歳、定年退職後。年金は2026年から受給中(月額約20万円)。「できる範囲で働いて年金を守りながら月5万円程度の収入を得る」という目標で、テンプスタッフに登録してデータ入力派遣を始めた。
在職老齢年金と派遣収入の関係
在職老齢年金制度では、年金受給者が就労している場合、「年金月額+収入月額の合計」が基準額を超えると、超えた分の半額が年金からカットされる。
2026年4月時点の基準額:月65万円
| ケース | 年金月額 | 派遣月収 | 合計 | 年金カット |
|---|---|---|---|---|
| 安全ライン | 20万円 | 5万円 | 25万円 | なし(65万円以下) |
| ギリギリライン | 20万円 | 45万円 | 65万円 | なし |
| カット発生 | 20万円 | 50万円 | 70万円 | (70万-65万)÷2=2.5万円カット |
年金月額20万円の場合、派遣収入が45万円以下であれば年金カットは発生しない。月54,600円は完全に安全ライン内だ。
月54,600円の収入設計
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 時給 | 1,260円 |
| 週稼働時間 | 10.5時間(週3日×3.5時間) |
| 月稼働時間(4.3週計算) | 43.4時間→月45時間前後 |
| 月収 | 1,260円×43.4時間≒54,684円 |
健康面から「1日3.5時間・週3日」を上限に設定した。62歳の体力で持続できる稼働量の見極めに2ヶ月かかった。
6ヶ月の稼働ログ
| 月 | 稼働時間 | 月収 | 体調・特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 34時間 | 43,260円 | 案件操作の習得。目の疲労で短縮 |
| 2ヶ月目 | 38時間 | 47,880円 | PC操作に慣れてきた |
| 3ヶ月目 | 42時間 | 52,920円 | 医療機関受診あり。稼働を調整 |
| 4ヶ月目 | 44時間 | 55,440円 | 体力的に安定 |
| 5〜6ヶ月目 | 43時間 | 54,180円 | 月54,600円に近い安定ライン |
健康面での勤務時間設計
62歳の体力に合わせた稼働設計のポイント:
| 設計ポイント | 内容 |
|---|---|
| 1回の連続稼働を1.5〜2時間以内に抑える | 目の充血を防ぐため |
| 稼働後に10〜15分の目のストレッチを入れる | VDTガイドラインに準じた対策 |
| 膝・腰への負担を軽減するために椅子・デスクを調整 | 高さ調整可能な椅子を購入(6,000円) |
| 体調が悪い日は無理せず休む | 月の稼働日数の1〜2日を予備として持つ |
| 午前中が集中力のピーク | 9:30〜11:30のブロックを優先稼働時間に設定 |
60代のPCスキル習得:3ヶ月プラン
テンプスタッフのeラーニング(就業スタッフ向け)を活用した:
| 期間 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | Excel基本(SUM・AVERAGE・セル操作) | スキルテストの「基本操作」評価に合格 |
| 2ヶ月目 | タイピング練習(毎日20分) | 200打/分の安定化 |
| 3ヶ月目 | VLOOKUPの基礎・ピボットテーブル基礎 | 「Excelを含む案件」への応募資格を得る |
3ヶ月の学習後、担当者から「Excelの基礎ができるなら時給1,330円の案件を紹介できます」と言われた。
3つの失敗パターン
パターン1: 在職老齢年金の計算を「年収ベース」で考えた
「年収65万円までなら大丈夫」と勘違いしていた。実際は「月収ベース(年金月額+収入月額の合計が月65万円)」の計算だ。年収65万円÷12=月約5.4万円ではなく、月の総収入(年金+給与)が65万円以下かどうかを月単位で確認する必要がある。
パターン2: スキルテストを「なんとかなる」と思って受けた
テンプスタッフのオンラインスキルテストでExcelの操作問題に対応できず、「基本操作のみ」評価になった。eラーニングで事前練習をしてから再受験するとスコアが上がった。
パターン3: 「担当者に任せれば良い案件が来る」と受け身でいた
最初の1ヶ月は担当者からの連絡を待っていたが、案件紹介が遅かった。「62歳・在宅・週10〜12時間・シニアOK案件を優先」という条件を毎月担当者に連絡することで、紹介速度と質が改善された。
この仕事が向かない人
- 年金月額が高く(30万円以上)、派遣収入を月35万円以上稼ぐ予定の人(在職老齢年金のカットが発生する可能性がある。事前に日本年金機構に確認を)
- 1日2時間以上のPC作業が体力的に難しい人(データ入力の最低稼働時間目安は1日2〜3時間)
- スキルテストの事前準備(PC練習・タイピング練習)をする時間が取れない人(合格なしでは案件紹介が限られる)
ミノリで始める場合の違い
ミノリは1タスクが短時間で完結するため、「今日は体力的に2タスクのみ」という稼働量の調整が自由にできる。年間の稼働実績がダッシュボードで確認でき、在職老齢年金の収入調整に必要な月収データを把握しやすい。確定申告向けの年間税務ステートメントも出力できる。