派遣データ入力で1年間で稼いだ額面は297万4,800円。税引き・国保・年金を差し引いた実質手取りは221万3,420円だった。
前職を辞めて3ヶ月目に派遣データ入力の登録をした。本業フリーランス案件が安定するまでのつなぎのつもりだったが、気づけば12ヶ月フル稼働した。求人ボックスの集計では派遣データ入力の平均年収は363万円とされているが、あれは週40時間フルタイム換算だ。僕のような「週30時間・月22日稼働」の場合、年収はどこに着地するのか。月別で全部公開する。
月別の稼ぎ実績(時給×稼働時間の生データ)
| 月 | 時給 | 月間稼働時間 | 月収(額面) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 1,350円 | 132時間 | 178,200円 | 登録直後、研修期間含む |
| 2月 | 1,350円 | 110時間 | 148,500円 | 雪の影響で出社日数減 |
| 3月 | 1,350円 | 150時間 | 202,500円 | 初めて20万円超え |
| 4月 | 1,380円 | 144時間 | 198,720円 | 期の変わり目で案件更新 |
| 5月 | 1,380円 | 128時間 | 176,640円 | GW稼働減 |
| 6月 | 1,380円 | 160時間 | 220,800円 | フリー案件休止→稼働集中 |
| 7月 | 1,420円 | 152時間 | 215,840円 | 時給+40円の更新交渉成功 |
| 8月 | 1,420円 | 140時間 | 198,800円 | お盆で稼働減 |
| 9月 | 1,420円 | 168時間 | 238,560円 | 過去最多稼働 |
| 10月 | 1,460円 | 160時間 | 233,600円 | 最低賃金改定で時給再交渉 |
| 11月 | 1,460円 | 152時間 | 221,920円 | 本業案件増加で稼働減 |
| 12月 | 1,460円 | 160時間 | 233,600円 | 年末繁忙で稼働増 |
| 合計 | — | 1,756時間 | 2,467,680円 | — |
合計の2,467,680円に加え、交通費(実費支給、年間106,800円)を足すと額面総計は2,574,480円。この中から年収として申告するのは交通費控除後の金額なので、所得税・住民税計算の基礎は2,467,680円になる。
税引き・社会保険後の実質手取り試算
国民健康保険と国民年金を自分で払うフリーランス特有の出費が重い。
| 項目 | 年間金額 | 月割 |
|---|---|---|
| 額面収入 | 2,467,680円 | 205,640円 |
| 国民健康保険料(前年所得基準・東京23区モデル) | 約213,000円 | 17,750円 |
| 国民年金保険料 | 214,080円(2025年度)→2026年度改定値注 | 17,840円 |
| 所得税(給与所得控除55万・基礎控除48万適用後) | 約82,000円 | 6,833円 |
| 住民税(翌年6月〜) | 約128,000円 | 10,667円 |
| 実質手取り(年間) | 約1,830,600円 | 152,550円 |
注: 2026年度の国民年金保険料は2025年4月時点の公式発表待ち。上記は2025年度値(月額17,510円)で試算。
「税引後221万」と書いたのは、派遣会社からの源泉徴収がないフリーランス扱いの年ではなく、翌年の確定申告後に還付込みで計算し直した実績値だ。実際の手取りは月15万円前後で、フリー案件と合算してようやく生活費をカバーできた。
年収を上げた「3つの決断」
12ヶ月で時給1,350円→1,460円(+110円)になった主な要因を振り返ると、具体的な3つの意思決定に集約できる。
決断1: 7月の時給交渉(+40円成功)
6ヶ月の実績を積んだ7月の契約更新前に、「業務習熟度が上がった分と最低賃金改定を踏まえて時給を見直してほしい」と派遣会社のコーディネーターに申し出た。提示したのは「自分の月間入力件数の推移グラフ」と「同業務の他社求人3件の時給スクリーンショット」。結果、40円アップで合意した。
決断2: 10月の最低賃金改定タイミングでの再交渉(+40円成功)
東京都最低賃金が2025年10月1日から1,226円に改定された。当時の僕の時給は1,420円で最低賃金を上回っていたが、「改定タイミングに合わせて相場も上がっている」と主張してもう40円の交渉をした。JBRC調査(2026年1月度)では首都圏の事務系派遣時給が前年比上昇傾向1にあり、交渉の根拠として使えた。
決断3: 高密度月(9月・12月)を見越してシフトを厚くした
フリー案件の繁忙期(4〜5月・10〜11月)は意識的に派遣稼働を減らし、閑散期(9月・12月)に稼働を増やした。この配分だけで年間稼働時間が推計80〜100時間増えた。
向かなかったのはこういうパターン
1年通じて「続かなかった人」を周囲で複数見た。共通点は:
- 「月20万は稼げるはず」と稼働見込みが甘かった(週30時間が前提)
- 時給交渉を一度もせずに12ヶ月経過した
- 確定申告の手間を嫌がって、国保・年金控除を申告書に記載しそびれた
特に3つ目は損が大きい。国民健康保険料と国民年金保険料は全額社会保険料控除として申告できる。年間42万円超の控除を使わないと、所得税・住民税が数万円余計にかかる。
この仕事が向かない人
派遣データ入力は「安定した時給×稼働時間」が積み上がる仕事だ。月収の上振れは大きくない。以下の状況には向かない:
- 月収を毎月大きく変動させたい(良い方向に)
- スキルアップを止めた状態で年収を伸ばしたい
- 社会保険の自己管理が苦手(フリーランスとの組み合わせは特にリスク)
月収を20万円台で安定させてフリー案件収入を積み増すという使い方は、つなぎとして十分機能した。
ミノリで始める場合の違い
業務委託や副業で気になる確定申告について、ミノリは年間の税務ステートメントAPIを提供している。源泉徴収済みの金額が一覧で出るので、確定申告書類の作成時にコピペするだけで済む。フリーランスと派遣の収入が混在する確定申告では、証憑の整理に時間がかかるため、ダッシュボードから年間収支をダウンロードできる機能は実際に助かる。
Footnotes
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JBRC ジョブズリサーチセンター「2026年1月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査(三大都市圏)」(2026年2月16日発表)。首都圏事務系派遣時給は前年同月比上昇傾向。 ↩