MOS Excel Associateを取得した翌月、副業の派遣時給が1,283円から1,540円になった。受験料12,980円の投資が4ヶ月で元を取った計算だ。
IT企業勤務の28歳として副業の派遣データ入力を始めたのは、将来の独立準備と収入分散が目的だった。開始当初の時給は1,283円。データ入力の平均時給は求人ボックスの集計で1,168円とされているが1、IT企業勤務で基本的なExcel操作ができる状態で登録したため、スタートが少し高かった。問題はそこから上がらなかったことだ。
時給交渉が「根拠なし」だと動かない
副業開始から2ヶ月後、コーディネーターに「時給を上げてほしい」と伝えた。返答は「検討します」で終わった。1ヶ月後に「現状維持になります」と言われた。
根拠がなかったのが原因だと後から分かった。「頑張っています」は交渉の根拠にならない。必要なのは定量的な証拠か、市場価値の変化を示すものだ。
そこで考えたのがMOSだった。資格という客観的な証明を先に取り、「スキルが上がったから時給を上げてほしい」という交渉構造にする。
MOS取得の費用と勉強時間の実録
| 項目 | 内容 | 費用 |
|---|---|---|
| テキスト(よくわかるMaster Excel Associate) | 技術評論社 | 1,980円 |
| 模擬試験ソフト(テキスト付属) | — | 0円(上記に含む) |
| MOS Excel 365/2019 Associate 受験料 | 公式(2026年度) | 12,980円2 |
| 合計 | — | 14,960円 |
勉強時間は3ヶ月で合計62時間。平日夜(21〜23時)に30分〜1時間、週末に2〜3時間のペース。本業終わりの疲労がある中での勉強なので、計画より2週間オーバーした。
| 月 | 勉強内容 | 累計時間 |
|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 基本操作・関数(IF/VLOOKUP/SUMIF)の復習 | 22時間 |
| 2ヶ月目 | グラフ・ピボットテーブル・データ検証 | 42時間 |
| 3ヶ月目 | 模擬試験10回+苦手項目集中 | 62時間 |
結果は862点(合格ライン700点)で一発合格。
合格後の交渉手順(具体的に)
Step 1: 合格証明書を取得してコーディネーターにメールで共有
「MOS Excel Associate(令和8年4月)を取得しました。業務への活用を高めていきたいので、次回の契約更新時に時給の見直しをご検討いただけないでしょうか」という文面で送った。
Step 2: 市場データを添付資料として用意
JBRC(ジョブズリサーチセンター)の2026年1月度調査3では、首都圏のIT・技術系派遣時給が前年比+254円(+12.2%)上昇している。オフィス系全体でも上昇傾向で、「スキル向上に合わせた適正時給の見直し」という文脈で使えた。
Step 3: 希望時給を具体的に提示する
「1,540円への改定をお願いしたい」と数字を明示した。「相場を見ながら」「できれば上げて」という曖昧な要求ではなく、根拠のある数字を先に出した方が交渉が早く決まる。
結果: 1,540円で合意(+257円)。合格証明書提示から3週間後。
投資対効果の計算
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| MOS取得費用 | 14,960円 |
| 月間稼働時間(平日2h×20日+週末3h×4日) | 52時間 |
| 時給差(1,540円−1,283円) | 257円 |
| 月間増収 | 257円 × 52時間 = 13,364円 |
| 元を取るまでの期間 | 14,960円 ÷ 13,364円 ≒ 1.1ヶ月 |
1ヶ月強で回収できる。副業の収入向上手段として費用対効果は高い部類に入る。
次の壁: 年間20万円の副業所得壁
時給が1,540円になると、月52時間稼働で月収80,080円。年換算は961,000円。ここで注意が必要なのが、会社員の副業所得が年間20万円を超えると確定申告が必要になる点だ。
僕の場合、派遣会社に「副業」として登録しているため給与所得として扱われる。本業の給与所得との合算で計算される住民税が問題で、確定申告をすると住民税額が会社の経理に伝わるリスクがある。
対策は「普通徴収」を選択すること。確定申告書の住民税欄で「自分で納付」を選べば、副業分の住民税は自分で納付する形になり、会社の給与から引かれる住民税に副業分が上乗せされない。
この仕事が向かない人
副業の派遣データ入力は、以下の状況には適さない:
- 本業の残業が読めず、シフトコミットが難しい(派遣はある程度の稼働予測が必要)
- 資格取得に時間を割けない(時給交渉の根拠を作るのに6〜12ヶ月かかる場合がある)
- 20万円の壁を超えることへの確定申告手続きを面倒と感じる
本業とのバランスを保ちながら、2〜3年単位でスキルと時給を積み上げる使い方が現実的だ。
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