独立5ヶ月目の経理BPO派遣で時給1,980円・月321,840円。三大都市圏の派遣平均1,709円より271円高く、東京の派遣経理相場1,950〜2,050円の中央値に着地した駆け出しフリーランス30歳の記録を残す。
前職で経理アシスタントを1年半、独学で簿記2級を取得してから独立した。個人向けに月次記帳代行の案件を取ろうとしたが、実績ゼロからのスタートで単価が伸びない。そこで先に派遣の経理BPO現場に3ヶ月入り、日々の仕訳処理をこなしながら個人案件の営業を並行した。
なぜ『経理BPO派遣』を選んだのか
経理BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、複数社の経理業務を請け負う現場で、派遣先はBPO事業者・大手監査法人・会計事務所の3パターンが多い。特徴は以下。
- 複数クライアントを同時に見るため、会計ソフトを3〜5種類触れる
- 経理実務の『幅』が増えるので、独立後の記帳代行営業に直結する
- 3ヶ月〜6ヶ月の契約が多く、個人案件の営業期間を確保しやすい
派遣経理の東京相場は一般事務よりも300〜500円高い。2026年1月度の全業種派遣平均は1,714円だが、経理は1,950〜2,050円、簿記や実務経験が乗ると2,200〜2,300円まで到達する。
時給1,980円に辿り着いた『スキル単価表』
派遣カウンセラーとの面談で、自分のスキルを項目別に見せて単価を交渉した。ジャスネットスタッフの公開情報では簿記資格や実務経験があると時給+200〜300円アップが狙えるとあったので、下記の根拠表を使った。
| スキル項目 | ベース上乗せ | 自分の実績 |
|---|---|---|
| 簿記2級 | +200円 | 2025年11月取得 |
| 仕訳入力(手打ち) | +0円(基本) | 前職1.5年 |
| freee・MFクラウド経験 | +100円 | 前職で両方使用 |
| 月次決算補助 | +150円 | 前職で補助経験 |
| Excel関数(SUMIF/VLOOKUP) | +50円 | 独学+業務経験 |
ベース1,500円スタートから積み上げて1,980円で合意。連結仕訳や税務申告までできると2,000円超に届くが、そこは未経験だったので正直に申告した。
3ヶ月目の1日・港区芝のBPO現場
始業9時・終業18時。休憩1時間で実働8時間×月20日。8時45分に出社して、前日の残タスクを確認してから朝礼に入る。
Before: 独立直後・個人記帳代行の営業だけの1日
| 時刻 | 行動 | 結果 |
|---|---|---|
| 9:00 | 起床・SNSチェック | |
| 11:00 | 個人事業主向けDM作成 | 3通/日 |
| 14:00 | 会計事務所にメール営業 | 反応ゼロ |
| 17:00 | クラウドワークスで記帳代行案件検索 | 月5件応募 |
| 20:00 | 簿記テキスト復習 |
独立2ヶ月目の月収は17,200円だった。営業は続けているが、実績ゼロからは誰も発注しない現実があった。
After: BPO派遣を週5で入れた1日
| 時刻 | 行動 |
|---|---|
| 6:30 | 起床・朝食 |
| 8:45 | 派遣先オフィス(芝)到着 |
| 9:00-12:00 | クライアントA社の日次仕訳入力 |
| 13:00-16:00 | クライアントB社の請求書処理・経費精算 |
| 16:00-18:00 | 週次レポート作成 |
| 19:30 | 帰宅、夕飯 |
| 21:00-23:00 | 個人案件の営業・記帳代行の提案書作成 |
派遣の9〜18時は月321,840円(時給1,980円×8h×20日)を生み、夜の2時間で独立後の案件を育てる構造。この二層構造で『営業の失敗で家賃が飛ぶ恐怖』が消えた。
3つの失敗パターン
パターン1: 最初のカウンセラー面談で『簿記2級』を自己申告しそこねた
1社目のカウンセラー面談で、簿記2級取得日が浅いため『資格が効くかは派遣先次第』と言われて、ベース時給1,500円のまま案件提示された。2社目の派遣会社(ジャスネットスタッフは経理専門)に切り替えたら、同じ経歴で1,900円の提示が出た。経理特化の派遣会社を先に当たるのが正解だった。
パターン2: 抵触日3年ルールを契約時に確認しなかった
派遣社員が同じ派遣先の同じ組織単位で働けるのは最長3年。BPO事業者の現場は長期契約が多く、無期雇用派遣でない限り3年で必ず区切りが来る。駆け出しフリーランスの場合、この3年を『経理スキルの実績を積む期間』と割り切り、3年目以降は記帳代行営業だけで食えるよう逆算するのが現実解。
パターン3: マージン率の違いを見過ごして手取りを損した
パーソルテンプスタッフのマージン率は公開資料で25%前後。小規模派遣会社は30%を超えることがある。同じ派遣先でも、A社経由とB社経由で月の手取りが1万円以上変わった体験をしている人は珍しくない。大手3社(パーソルテンプスタッフ、スタッフサービス、パソナ)で必ず相見積もりをとる。
この仕事が向かない人
派遣の経理BPOは次の条件に当てはまる人には勧めない。
- 簿記3級も未取得(時給が1,450〜1,600円台から上がらない)
- フリーランスでなく将来ずっと経理として食いたい(直雇用を狙うべき)
- 9時〜18時の拘束が厳しい(BPO現場は原則フレックスがない)
- 月次決算・年次決算の締め時期に休めない環境がきつい(月初・期末は残業が出る)
- 複数社の会計ソフトを同時に覚えるのが苦痛(BPOの特性上、切り替えが頻繁)
逆に「独立したけど個人案件が取れない」「経理実務の幅を増やしたい」「記帳代行で食える実績を作りたい」という駆け出しフリーランスには相性がいい。
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