4ヶ月目、座談会の前日に親が救急搬送された。翌日の座談会に参加できず、報酬はゼロ。発注者からは「個別インタビューは代替日程が組みづらい」と告げられ、その月の主力収入が消えた。要介護2の親を在宅介護する45歳、典型的な介護中の40代が、アンケート調査の業務委託で月19,600円の組み立てが1本の電話で崩れた挫折の記録を書く。
介護離職から業務委託に切り替え、デイサービス中の週12時間だけを作業時間として月19,600円に届いていた。Webアンケート(1件5〜150円)を月150件、座談会(1回6,000〜10,000円)を月1回、その月1回の座談会が報酬の3割を占めるという脆い構造を選ばざるを得なかった理由と、そこから信頼を崩さないために決めた「緊急連絡は即座に発注者へ」という運用ルールまでをそのまま残す。
アンケート調査の単価構造
アンケート調査は単価帯が極端に分散している業務委託領域だ。
| 案件タイプ | 単価 | 1時間処理数 | 時給換算 |
|---|---|---|---|
| 一般Webアンケート | 5〜30円 | 12〜30件 | 60〜900円 |
| 特定層向けWebアンケート | 50〜150円 | 8〜12件 | 400〜1,800円 |
| 日記調査(1週間継続) | 500〜2,000円/件 | — | — |
| グループインタビュー・座談会 | 6,000〜10,000円/回 | 1〜2時間 | 3,000〜10,000円 |
| 個別インタビュー | 8,000〜15,000円/回 | 1時間 | 8,000〜15,000円 |
| 訪問インタビュー | 10,000〜20,000円/回 | 2〜3時間 | 3,300〜10,000円 |
介護中のワーカーにとって、在宅で完結するWebアンケートと**事前予約できる座談会(オンライン)**の2種類が現実的な選択肢だった。訪問系は親を置いて家を空けられないので対象外。
月19,600円の内訳
| 案件 | 件数/回数 | 単価 | 月報酬 |
|---|---|---|---|
| 一般Webアンケート | 80件 | 平均15円 | 1,200円 |
| 特定層向けアンケート(介護経験者向け) | 40件 | 平均100円 | 4,000円 |
| 日記調査 | 2件 | 1,200円/件 | 2,400円 |
| オンライン座談会 | 2回 | 平均6,000円/回 | 12,000円 |
合計19,600円、月稼働約26時間で時給換算754円。座談会1回で月収の3割を稼ぐ構造が特徴で、デイサービス中の集中できる時間をここに集中投下している。
介護中5ヶ月の推移
| 月 | 月稼働 | 月売上 | 手取り | 主な構成 |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 12時間 | 3,800円 | 3,040円 | Webアンケートのみ |
| 2ヶ月目 | 18時間 | 7,200円 | 5,760円 | 座談会1回 |
| 3ヶ月目 | 22時間 | 11,500円 | 9,200円 | 座談会1回+日記調査 |
| 4ヶ月目 | 24時間 | 15,800円 | 12,640円 | 座談会2回 |
| 5ヶ月目 | 26時間 | 19,600円 | 15,680円 | 座談会2回+日記調査2件 |
手取りの差はクラウドワークス手数料20%(10万円以下部分)、振込手数料。国民年金は介護離職で法定免除または申請免除の審査中。介護による離職で収入がゼロに近い場合、国民年金の全額免除・半額免除の対象になる可能性があるが、免除期間は将来の受給額が減額される点に注意が必要。
介護中の業務委託で詰んだ3つの失敗
失敗1: 納期直前に親の体調が悪化
4ヶ月目、座談会の前日に親が救急搬送され、翌日の座談会に参加できなくなった。発注者に連絡したが「個別インタビューは代替日程が組みづらい」と告げられ、その月の座談会報酬はゼロ。以降、家族の緊急連絡が来たら即座に発注者に連絡する運用を決めて、信頼関係を崩さない対応を心がけた。
失敗2: 座談会の予約を24時間前まで仮確定にしなかった
1ヶ月目の座談会で、予約時点で「参加確定」にしてしまい、当日親の通院と重なってキャンセル。キャンセル料の請求は無かったが発注者の評価が下がった。以降、座談会の予約は24時間前までに確定可否を回答する条件で申し込むようにした。
失敗3: 個人情報を含むアンケートで回答内容を間違えた
介護経験者向けアンケートで、要介護度の入力を「2」とすべきところ「3」と入力し、対象外として無効化された。介護者にとって要介護度の数字は日常で混乱しやすい(現在の認定と前の認定が混ざる)。以降、親の要介護認定通知書を作業PC横に常置して、毎回確認する運用にした。
介護中にアンケート業務委託が向かない人
介護中の40代でも、次に当てはまる場合はアンケート調査の業務委託は無理に続けない方がいい。
- 要介護度3以上で、介護者が24時間目を離せない状態の人
- デイサービスやショートステイの利用予定が安定しない家庭(親の拒否などで週次変動する)
- 座談会や個別インタビューで自分の介護体験を話すことが精神的負担になる人
- 月1万円以上の収入を期待している人(Webアンケートだけでは月1万円に到達しない)
- 介護離職後に雇用保険の求職者給付を受給中で、副業所得が給付額に影響する懸念がある人
アンケート業務委託は介護中のワーカーにとって「現金化できる数少ない業務」の1つだが、収入額は限定的。介護休業給付金や介護離職時の生活資金と組み合わせる前提で考えるべき仕事だ。
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