前職営業で数字は得意だった30歳、駆け出しフリーランスが、退職後に簿記2級を3ヶ月で取って独立し、仕訳入力の業務委託をやってみた4ヶ月の記録。最初は1仕訳12円の従量制契約で時給120円まで落ち込んだが、月額25,000円×3社の固定契約に切り替えたら月82,500円に届いた経緯を正直に書く。
経理の実務経験ゼロの駆け出しが、クラウド会計ソフトの操作だけで完結する「仕訳入力」に絞って案件を取ってみた実感を含めて残す。freeeの権限設定ミスで90件の仕訳を一括削除した話も含めて、恥ずかしい失敗は隠さず書く。
仕訳入力の単価構造 ― 従量制と月額制の違い
仕訳入力の業務委託は、2つの課金形態がある。
| 課金形態 | 単価 | 向いている案件 | 駆け出しでの粗利 |
|---|---|---|---|
| 1仕訳あたり | 8〜20円 | 年間2,000仕訳未満の小規模 | 低め(経験差が出る) |
| 月額固定 | 20,000〜50,000円 | 毎月100〜500仕訳の継続 | 高め(効率化すれば時給2,000円超) |
| 時間単価 | 1,232〜2,000円 | スポット対応・決算期 | 安定するが伸びない |
駆け出しは最初は1仕訳単価で受けがちだが、慣れないうちは1仕訳に5〜8分かかり、時給換算で500〜800円まで落ちる。月額固定契約なら効率化すればするほど時給が上がるため、3社目以降は月額契約だけに絞った。
月82,500円の内訳
| 契約 | 内容 | 月額 | 月仕訳数 | 作業時間 |
|---|---|---|---|---|
| A社(美容サロン) | freeeで月次仕訳・経費精算 | 25,000円 | 180件 | 14時間 |
| B社(個人事業主) | マネーフォワードで記帳代行 | 22,500円 | 120件 | 10時間 |
| C社(小規模法人) | 弥生会計で仕訳+決算準備 | 25,000円 | 250件 | 15時間 |
| スポット | D社の確定申告補助 | 10,000円 | 80件 | 5時間 |
合計44時間で82,500円、時給換算1,875円。直接契約だからこの水準で、プラットフォーム経由だと手数料16.5〜20%を引いて時給1,500〜1,565円になる。
駆け出し4ヶ月の推移
| 月 | 受託社数 | 月総作業 | 売上 | 手取り |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月目 | 1社(従量制) | 28時間 | 15,600円 | 10,080円 |
| 2ヶ月目 | 2社 | 35時間 | 42,800円 | 32,560円 |
| 3ヶ月目 | 3社 | 40時間 | 65,000円 | 52,960円 |
| 4ヶ月目 | 3社+スポット | 44時間 | 82,500円 | 68,780円 |
手取りの差は国民年金17,920円、国保、クラウド会計ソフトのサブスク代(freee・マネーフォワード・弥生の3種掛け持ちで月7,500円)。ソフト代は事業の必要経費として青色申告で控除されるため、確定申告後に一部戻ってくる。
駆け出しで詰んだ3つの失敗
失敗1: 最初の案件を従量制で受けた
A社の1件目契約が「1仕訳12円」の従量制で、月180仕訳なら月2,160円の計算だった。慣れない最初の月は仕訳1件に6分かかり、月18時間で2,160円、時給換算120円。2ヶ月目に「月額固定25,000円」へ切り替え交渉をし、発注者も納得して変更。駆け出しは従量制を避けて月額固定を提案するほうが結果的に早く単価が上がる。
失敗2: freeeの権限設定ミスでデータを消した
B社の記帳代行初月、操作ミスで90件の仕訳を誤って一括削除した。バックアップから復元できたが、発注者への謝罪と復旧作業で6時間無報酬。クラウド会計ソフトは誤削除防止のために「承認者権限」と「記帳者権限」を分けられる機能があるが、最初は全権限で作業していた。分離すべきだった。
失敗3: インボイス制度対応の勘定科目を間違えた
C社の2026年10月以降の仕訳で、免税事業者からの仕入れを「仮払消費税」で全額計上してしまった。経過措置で控除割合が80%→70%に下がるため、本来は「控除対象外消費税」の区分が必要だった。税理士監査で指摘され、3ヶ月分の仕訳を修正することに。インボイス経過措置の仕訳処理は必ず発注者側の顧問税理士に確認するルールにした。
この仕事が向かない駆け出し
駆け出しフリーランスでも、次に当てはまる人は仕訳入力の業務委託に手を出さない方がいい。
- 簿記3級相当の知識もなく、借方貸方の理屈が怪しい人
- クラウド会計ソフトを1つも触ったことがない人(freee/マネーフォワード/弥生のどれか1つは必須)
- 電子帳簿保存法の電子取引データ保存要件を説明できない人
- 月次の締切(翌月10日や15日)を絶対守れる時間管理ができない人
- 発注者とのコミュニケーション(不明な勘定科目の確認)を遠慮してしまう性格の人
仕訳入力は経理BPOの中でも最も基礎の工程で、ここでミスをすると発注者側の月次試算表・決算まで影響が及ぶ。精度は量より優先される。
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